<< 基礎外断熱の落とし穴 | メイン | 美空ひばり >>
2006年03月27日(月)
100年もつ家を
明治39年に、Kさんが住んでいた家は建てられた。
ちょうど100年目に当たる昨年、4代目の戸主は建て替えを決断した。
Kさんは知り合いが紹介してくれた設計事務所に依頼したのだが、息子さんがある日〔「いい家」が欲しい。〕に巡り会い、父親であるKさんを誘って勉強会に参加された。
インド、ネパールが好きで毎年のように旅をしていたというKさんは、物事の急所を掴むことが素早い。
「そうだ。家造りで一番大切なことは住み心地なのだ」
そう納得してからは、すべてを私と息子夫婦に任せた。
しかしその前に念を押されたことがあった。
「松井さん、ご先祖様は100年もつ家を残してくださった。だから私も100年もつ家を子孫のために残したいのです。それだけが私からのお願いです」と。
下の写真は上棟の日のものであるが、右上の赤い屋根が母屋でその下が土蔵である。

昨年の暮れに完成し、明治、大正、昭和、平成に生まれた3世代の家族が引越された。母屋は今年の2月に解体し、土蔵は現在修復工事が行われている。
Kさんは解体するのを見るのはつら過ぎると言われていたが、一部始終を見守っていた。
そして終わってから笑顔で言われた。
「業者の人たちが、心を込めて丁寧に取り壊してくれたことがとてもうれしかった」と。
今日突然に訪問したのだが、玄関を入ると空気が実に気持ちよく感じられた。
(正面のニッチは、照明の工夫で冬は温もりを、夏は涼やかさを演出する)


Kさん夫妻が口々に、「生まれて初めて、暖かい暮しというものが、こんなにもすばらしいことなのか、今年の冬は毎日実感させられました」と言われた。
息子さんの奥さんはこんな話を聞かせてくれた。
「この家は、暖かさが身体に蓄えられるようです。毎年しもやけで悩んでいたのですが、今年の冬はならなかったのですよ。この家があまりにも快適なので、ついつい出不精になってしまいます」

二人のお孫さんはギターとピアノが大好きで、夜中でも練習できることを喜んでいるそうだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井









