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2006年03月15日(水)
引渡し前夜
夕方、明日引渡しの現場へ行った。
現場監督の篠田の目が血走っている。
「どうだ。間に合いそうか?」
「はい。今夜中に水道の接続を終えて完了です」
応援に入っている3人の監督たちがてきぱきと動き回っている。
この現場は、敷地に絡む問題があって35日ほどスタートが遅れてしまったのだが、引渡しは予定の期日に行わなければならない。
そのような場合、監督は一番頭を悩ませることになる。
大工さんが協力し、15日間ほど工程を短縮することに成功した。
工期を短縮することはリスクを伴うことだ。
手が荒れ、手が省かれ易くなるからだ。
マツミの職人にはそれらの心配はないのだが、段取りに工夫が必要になる。
監督の腕の見せ所である。
10日前に見た限りでは、無理があるかなと心配だった。
そのとき篠田は、
「必ずやり遂げます」とだけ答えた。
「あれがこうなって、これがああなれば間に合うと思います」と言うような答え方をする場合には信頼できない。
それにしても無理ではないのか、かなり心配だった。
しかし、3日前に行くと、一番の難所と思えた追加工事が見事に終わっていた。
監督の指揮に従って、大工さん、職人さんたちが的確に仕事をしたことがよく分かった。
ところがである。
夜9時過ぎに電話した。
「どうかな?」
「あと2時間ほどで水道工事が終わります。私は用事がありますのでいったん現場を出て会社に帰りますが、すぐに引き返して最終チェックをします」
そう言われると「ご苦労さん、気をつけてな!」とは言えなくなってしまう。
「なぜなのか?」
という疑問が湧き上がる。
なぜ、水道工事がぎりぎりの今日になったのか?
なぜ、いったん会社へ帰るのか?
こうなったら、寝るわけにはいかない。
何時になってもいいから、報告をよこすように先ほど伝えた。
今、23時54分。まだ報告がない。
カテゴリー: 投稿者 :松井









