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2006年07月13日(木)

契約と上棟

「私は、松井さんの本をブックオフで買い求めたのですよ」
今日契約したSさんの奥さんが申し訳なさそうに言われた。
「私が夢中で読んでいると、3人の娘たちが代わる代わる言いました。
“お母さん、いい家を欲しがったって、うちではとても無理よ”と。
でも、築35年以上のわが家は、暑くて、寒くて、湿気とカビがひどいのです。特に北側の和室はカビ臭くて、その部屋で寝ている末の娘はいつも調子が悪いのです。大地震に見舞われたら簡単に潰れてしまいそうですし、なんとしても建替えたかったのです。
70才になった主人と何回も話し合って、マツミの家に住むことを決心しました」
傍らで無口なご主人が大きくうなずかれた。
とつとつと語る奥さんの話には、目が潤んでしまうほどに感慨が込められていた。
 
K邸の上棟は、熱中症にならないかと心配するほど暑い中、無事に終わった。
ご夫妻は二人の息子さんと共に朝から上棟を見守られていた。
夕立もあって湿度は100%に近い感じがしたが、そのせいかヒノキの香りが一段と濃かった。
満足そうなご家族と、仕事を無事やり終えたとびさんと大工さん、そして監督の蒸気した顔を見ていると、仕事冥利に尽きる思いがした。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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