2006年09月04日(月)
建築協定
住宅地としての環境を維持するために、住人同士が建築協定を結んでいるケースがある。
最近建築の依頼があったところでは、建物の高さは8メートル以下、敷地の20%を緑地にしなければならないという協定がある。
そのため家々の屋根の高さが揃っていて勾配が緩い。そしてゆったりした庭の緑が豊かに見える。
だが、庭木の手入れが行き届いている家は少ない。
住宅は、高さを8メートルに抑えられると、屋根勾配は5寸以下となり、デザイン的につまらない形になりがちだ。そのような家の周りを、手入れされない生け垣と庭木が取り囲んでいるために、美しさ、楽しさ、活気が乏しく感じられた。
住む人ともに、景観も老化しているのだ。
建築協定は、これからその老化を防止することには役立たないであろう。
いや、それだけではなく、若返りの妨げとなりかねない。
個人の一番重要な資産的利害が鋭くぶつかり合う住宅地で、イギリスのコッツウオルズ地方でのように、ナショナルトラスト運動のような理念が支持されるとは考えられない。
建物の外形規制と緑化の義務化を見直さざるを得なくなる頃には、景観がすっかり老衰してしまっているのではなかろうか。
分譲地のたいへん目立つ一等地の真ん中に立って、ふさわしいデザインを模索しながら、そんなことが心配になっていた。
カテゴリー: 投稿者 :松井









