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2006年10月07日(土)

本間千枝子「食・ねぐら・愛」

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「当時すでに70歳をとうに越していた一徹の経営者、ミセス・ハリスは、午前中人気をはらって一室に籠もり、鍵をかけてから界隈で名高い特製のハウス・ドレッシングを作った。白髪の老女が調合する誇り高き味は、彼女の死後も後継者にその店の味として伝えられた。そして20年後この人の死後訪れた東洋の男のセンチメンタル・ジャーニーを胸の内でも味覚の上でも裏切ることがなかった。」
これは、本間千枝子さんの著書「アメリカの食卓」(文藝春秋)の一節である。
東洋の男とは本間さんの夫であり、かってミセス・ハリスのレストランでボーイをしていたことがあるのだそうだ。
この本は、いつか読んでみたい一冊だった。しかしなかなか手に入らない。その旨お伝えしたところ送ってくださった。
いい本に巡り会えて、枕元に置いてある夜は何とも言えない幸せな気持ちになる。
 
本間さんの本を読んでいると家造りに通じるものを随所に強く感じる。
「スーパーマーケットが充実するにつれて、主人不在の肉屋さんが増えているのは淋しいことだと思う。始終人のかわるミート・デパートメントやパケージにつめられた肉ばかり並んでいるマーケットで買った肉からは、人の心をなごませるご馳走は作れないように思う」
そして「主人のいる店」を運よく見つけられた喜びを書いている。
また、こんなことも。
「おいしいものはただいたずらに有名なブランドや高価な材料の中にあるのではなく、人びとにおいしい物を食べて欲しいと望んでいる人の熱意と結びついた時、ありふれたものが美味に変わる」と。
 
「いい家」をつくる会では16日に開くセミナーの講師に本間さんをお招きしている。
テーマは「食・ねぐら・愛」である。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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