2006年11月12日(日)
品質の復讐

「品質の復讐」――私は、常にそれを恐れている。
「いい家」を造る、という宣言をしているが納得できる品質を具現することは容易ではない。
地震、台風、洪水をはじめとする自然災害に強く、防火、防犯、防カビ、防蟻性能を高め、かつ省エネで上質な住み心地を実現する。
いや、それだけではダメだ。
住む人はもとより、造る人、そして地球の健康にも十分な配慮が求められる。
どれか一つでも疎かにすれば、「品質の復讐」を受けることは必至である。
家造りは一人ではできない。一軒の家を完成するには、延べ数百人の人手が必要だ。仕事としては完璧であっても、だれか一人の言動が住む人の心の片隅に不信や失望を与えたら失敗と同じことになりかねない。
いつも傍らで見ている久保田紀子さんが、よく言うセリフがある。
「工務店の経営者って、本当に大変なんですね」と。
「何の商売でも同じですよ」と笑って答えるのだが、「品質の復讐」が恐くてならないことは確かだ。
その臆病なまでの私の姿勢を見ていて、久保田さんは言うのだ。
「いい家」造りは、ことのほか奥行きが深く、難しい。だからこそ、一生をかけて取り組みたい。
幸いなことに、私のまわりには「いい家」をつくる会の同志たちがいる。みんな「品質の復讐」を恐れる人たちだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井









