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2006年12月25日(月)

「身体にいい家、悪い家」

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〔「いい家」が欲しい。〕は、来年の2月10日で発売から8年目を迎える。
新宿の紀伊国屋書店の4階にある住宅本のコーナーには、いつ行っても平積みされている。
隣には〔さらに「いい家」を求めて〕がある。
店の考えからなのか、私の本を批判している「外断熱が危ない!」と「身体にいい家、悪い家」は棚置きになっている。
それにしても「いい家」と付けた本が多い。
住宅本から家づくりに入る人は、さぞかし迷うことだろう。
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私が本の執筆をしていた1998年当時、日本国中が騒ぎ立っていたことがあった。それは私の家から車で20分ほどの距離にある所沢のごみ焼却所から発生すると決め付けられたダイオキシンのことだ。
「赤ちゃんが死んだ」、「ほうれん草のダイオキシン濃度が猛烈に高い」など、テレビ、新聞、雑誌の騒ぎは拡大する一方だった。
それと平行して、環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)が問題化し、環境庁(当時の名称)は67物質リストを発表した。それに該当する物質を含んでいるという理由で、「プラスチックは悪魔の商品だ!」、「ビニールクロスの家に住むと、健康が害される」、「カップ麺容器からスチレンが溶け出す」など声高に叫ぶ人たちがスター扱いされていた。
(その延長線上の見地に立って、前記の二冊は私の本を批判している。「身体にいい家、悪い家」(著者前田智幸・新潮社)の発行日付が2006年7月25日であることに注目されたい)。
しかし、すでに当時、冷静に事実を重視する人たちがいたのだ。
私が本で紹介した「ダイオキシン猛毒説の虚構」(文芸春秋1998年10月号)を発表された作家の日高 隆さん、そして新潮45(1998年12月号)で冷静な判断の必要性を書かれた環境工学の専門家である中西準子さんだ。
その後環境省は調査を進める。そして2000年10月にはスチレンは環境ホルモン因子とは考えられないという見解を出した。
さらに2004年には、危険視された67物質のほとんどがシロであると判定された。その中には、「健康にいい家、悪い家」が「松井が勧めるポリスチレン断熱材はこわいよ、おそろしいよ」と主張する根拠、すなわちそれに含まれているとするフタル酸ジ−2−エチルヘキシルには、内分泌撹乱作用は認められないとする調査結果を発表している。そもそも、製品化されたポリスチレンからは成分であるスチレンモノマーは揮発しない。したがって、スチレンが揮発するから怖いとする主張は誤りである。
また、発ガンリスクはダイオキシンですら水道水と同等か、それ以下なのだから断熱材として用いた場合に、家の中に揮発するわけでもなく、触れるわけでもないのだからまったく心配ない。
前田氏は、自分が開発した床暖房と、グループで開発した断熱ボードを売りたくて本を書いたようだ。
そして、〔「いい家」が欲しい。〕は欲しくない。「なぜなら健康に悪い家だから」と決め付けることで成功を試みたと思われる。
しかし現在では、前田氏のように化学物質を「こわいよ、危ないよ!」と非科学的に決め付けたのでは物笑いであることが、下記に紹介した本を読むとよく分かる。
自画自賛になるが、1999年の2月発行の住宅本に「化学製品は、悪魔の商品か?」の項目を挿入するには大変な勇気を必要とした。
  
ところで、家づくりに関する本は、自分が良いと信じる家を100棟以上造り、3年以上アフターフォローを続け、自分もその家に3年以上住まないことには書けるものではない。
前田・川井の両氏は、それらの資格に当てはまるのだろうか?
  
●「環境リスク学」 不安の海の羅針盤
  中西準子・日本評論社
●「環境問題の杞憂」 藤倉 良・新潮新書
●「これからの環境論」 作られた危機を超えて
  渡辺 正・日本評論社
●「環境問題のウソ」 池田清彦・ちくまプリマー新書
●「続・環境と健康」誤解・常識・非常識
  安井 至・丸善 


カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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