<< 「いい家」と「いい夫婦関係」 | メイン | お雛様のことば >>

2007年02月17日(土)

「三茶」の和菓子

DSCF1681.jpg
埼玉県朝霞市幸町2−14−15に「三茶」という和菓子店がある。
今から38年前に開店したという。
そこのご主人である安岡さんは鹿児島から上京して東京の和菓子屋に弟子入りする。親方はここ一番というところは教えようとしなかった。腕は教えられて上達するものではない。なんとしても一人前の職人になろうとする強い意志があるなら、盗み取れというのが親方の考えだった。
やがて安岡さんは独立する。僅かな手持ち金と、親からの借金を併せて間口二間の店を持った。夫婦は朝5時起きして休みなく働いた。
口コミで次第に客が増えていった。電車に乗って2時間もかけて月に一度は買いに来てくれる人もいた。
一人娘に食事を与える暇もないほど働いた。
奥さんは言う。
「一人っ子だから甘やかすわけにはいかなかったのです。私に万一のことがあっても、人様に厄介にならずに自分の力で生きていけるように育てなければと必死な思いでした」と。
その娘さんが、実直で、心優しい夫と巡り会い、工場の二階で所帯を持った。四人は懸命に和菓子作りに励み続ける。
 
娘夫婦は家を持とうと考えた。
〔「いい家」が欲しい。〕の広告が目に入り、読んだ。
勉強会に参加し「いい家」を建てようと決意する。すると不思議なことに、店から歩いて5分もかからないところに手ごろな土地が手に入った。
そして、今日、無事家は完成し引き渡された。若夫婦が使用説明を受けている間に、店の奥の間でお菓子をご馳走になりながら両親の思い出話を聞いた。
「工場ができる前は、ここに作業台を置いてお菓子を作っていました。食事のときはその台の上を少し片付けて食べていました。
でもそのような環境で子育てができたことが良かったのだと思います。娘があんなに働き者で優しい人に巡り会えたのですから」
その娘さんが本を読んでくれたお陰で、気持ちの良い家造りをさせていただけた。ご縁の不思議さ、ありがたさを、今日もしみじみと感じさせられた。
「三茶」の和菓子は、お世辞抜きにおいしい。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
PAGE TOP