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2007年03月18日(日)
トヨタ・レクサス その3
「●挑戦者たち」
その章の「日本の小売業に宿るホスピタリティ感覚」に、こんなエピソードが紹介されている。私は読みながら己の至らなさを反省させられた。
私がしたいのは、こういう商売なのだ。
マツミハウジングも挑戦し続けなければならない。
これまでホスピタリティ経済の範例として、米国レクサスやエジプトのオべロイ・メナ・ハウス・ホテルなどを取り上げてきたが、我々の身近にも自覚せずにホスピタリティを供している企業が多く存在する。
たとえば、小売業の間では語り草となっている和菓子屋の叶匠壽庵(本社滋賀県大津市)の話がある。閉店間際でシャッターを下ろしかけた店の駐車場に車がはいってきた。店に飛び込んできた中年男性が切羽詰まった表情で、応対にでた店次長の女性に言った。
「病気で危篤状態になっている母が、どうしても最後に好物の叶匠壽庵のお菓子を食べたいと言うのでやってきました。もう時間がありません」
彼女は客の母親の年齢や好みを聞いて、数種類の和菓子を選び菓子折にセットしてこう言った。
「お客様、そういう事情であれば御代は要りません。長年ご愛顧していただいたお礼です。ありがとうございました」
深々と頭を垂れてから、客を送り出した。
間に合ったのだろうか。あのお客さんのお母さんはうちのお菓子を食べることができたのだろうか?
気になった彼女は、翌日、差し出がましい気持ちを振り切って連絡をとってみた。電話口にでた客の声は沈んでいた。
「間に合いませんでした。本当に残念です。気にしていただいてありがとう」
母親の葬儀の日、彼女は休暇をとって、遠方の斎場に自費で出かけた。喪主の息子はわが目を疑った。閉店時間だというのにいやな顔一つせずに、亡くなった母親のために菓子を見繕ってくれ、しかも、代金を決して受け取ろうとしなかった彼女が線香をあげているではないか。
亡母が叶匠壽庵の商品のファンだった。たったそれだけのご縁なのに、どうしてそこまでしてくれるのか。彼は叶匠壽庵の社長に礼状を書かずにはいられなかった。
もちろん彼女のとった行動は叶匠壽庵のマニュアルには書かれていないが、私は日本のまともな小売業は、こうした「商人の心」が脈々と受け継がれてきているのだろうと思っている。ホスピタリティとは日本人にとってそういうことではないだろうか。
こうした商人の心は企業の貸借対照表には反映しないけれど、目に見えない本当の意味での「ノレン」としてきちんと評価されるべきものだと思う。
カテゴリー: 投稿者 :松井









