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2007年09月18日(火)
オランダ住宅視察−3

午前中、アーメルスフォールトにあるソーラーパワー住宅団地「ニューランド」を見学。
今から20年ほど前に、市は5000軒の住宅団地を建てることを決定した。
基本方針はサステナブルの実現にあり、しかも、それまでの住宅よりも価格を安く抑えるというものだった。それにも拘らず、全戸に太陽光発電を採用することが求められていた。
プロジェクトに参加した不動産業者をはじめ、設計士、建築会社は、サステナブルよりも自分たちの利益を確保することを期待した。
そこで市は、サステナブル社会の実現を提唱するデルフト工科大学のダイベスティン教授を招き、プロジェクトの総合指揮を依頼した。教授が何よりも大切に考え努力したことは、仕事に携わる人たちの意識改革、すなわち、サステナブルの考えを理解させることだったという。
当時は、批判的で、目先の利益に走ろうとする人たちが多かった。
教授は、4年近くもかけて意識改革の徹底化を図った。それなくしては、プロジェクトの成功はないと。
我々は、ダイベスティン教授から相対でレッスンを受けてきたばかりなので、感じるところが大いにあった。
説明をしてくれたのは、ビタ・ヨンガーさんといって、サステナブルの研究者の一人である。
プロジェクターを用いながら、計画の細部にわたって話してくれた。
「大切なことは、将来の子供たちに、何を知っていたかではなく、何をしたのかを明確に答えることなのです。
コンピュータシュミレーションで100年後の状況を熟知しながら、ただ温暖化を憂え、環境共生を唱え、していることは経済的レースの勝者となること、より快適な暮らしを求めることではならないのです」
「少し、厳しい言い方かもしれませんが」と、ヨンガーさんは付け加えた。
1時間半ほどをかけたレクチャーが終わってから、団地の中を見て歩いた。すでに住んでいる人の家も案内してくれた。

すべての家に太陽光発電が設置されている。屋根一体型や壁面利用、ひさし取り付けなど、様々な工夫がされている。
道路には、発電状態をリアルタイムで表示する装置があり、住人は散歩や買い物のついでに、団地全体の発電量と消費電力を確認できる。
家の中には、パソコンの画面上で、数秒単位で変化する電力状態をモニターできるようになっている。昨日は、今日は、一年間では、といったことがマウスの簡単な操作で家族全員が確認できる。
サステナブル、すなわち、持続可能な社会での生活について、住人たちは誇りを持って楽しんでいるように見えた。

午後からは、アルペンアンデラインへ移動し、エコロニア計画で造られた100軒の団地を視察した。1990年、オランダ政府は、サステナブルにより合致する省エネの方法、内装の質、建築資材、そして健康に配慮した家を建てる計画をした。選抜された9人の建築家たちに断熱、暖房、換気、屋根緑化などそれぞれの方法についてアイディアとデザインを競い合わせ、当時の先進の技術とアイディアをふんだんに盛り込んだ。

そこは、ダイベスティン教授の右腕とも言われているデルフト工科大学客員教授であるヘルデ・フィリス先生が監督された。その方が、自ら小雨降る寒い中、失敗談を交えながら親切丁寧に案内してくださった。
当時は斬新であったことが今では日本でも当たり前に実践されている。それだけに、マツミの家の20年後の姿を想像し、考えさせられるところがたくさんあった。
ちなみに、二つの団地とも、寿命は50年を目処に企画されたという。
日本では、「200年住宅」という提案が唐突に持ち出されているが、私の話にフィリス先生はただ肩をすぼめて、「おー」と発したのが印象的だった。
カテゴリー: 投稿者 :松井









