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2007年10月17日(水)
200年住宅

政府は、建て替えずに何世代にもわたって住み続けることが可能な「200年住宅(超長期住宅)」の普及に取り組む方針を決めた、と今日の読売夕刊がトップで伝えている。
福田首相はこの構想について、自民党の住宅土地調査会の会長だった今年5月に提言をまとめ、先の所信表明演説でも構想実現への意欲を強調したほどに肝いりだそうだ。
構造的には、耐震性を高めるために柱や梁を従来のものよりも太くし、耐久性向上のため、基礎部分を地面から高くし、風通しを良くすることだとある。
200年住宅のイメージ図が掲載されているのだが、それは読売新聞のスタッフが適当に書いたものだろう。もしも国土交通省が作成したものだとすると、担当の役人たちは福田首相の政治的なアドバルーンに苦笑しながら付き合っているとしか思えない。真剣さ、慎重さ、意気込みがまるで見えない。
そもそも洋の東西を問わず、最初から200年も持つ住宅を企画した国があるのだろうか?
地震がない、ハリケーンに襲われない、シロアリがいない、梅雨や高温多湿がない、そして、何百年経っても壊したくないような美しい家並みだから、結果的に、「超長期住宅」になっているのだと私は思う。
だからといって、そこに住んでいる人たちが必ずしも満足しているとは限らない。私がヨーロッパの国々を旅して知ったことは、古い住宅を大切にする気持ちと、新しい住宅に住みたいという願いでは、後者が年々強まっているということだ。それは家の性能、すなわち住み心地と省エネ度が違いすぎるからだ。
イメージ図を見てみよう。
気になるのは、大き目の床下換気口がガバガバとあいていることだ。となると、この家の断熱の方法は床下断熱である。つまり内断熱(充填断熱)だ。
「基礎部分を地面から高くし、風通しを良くする」このような家は、外断熱の家と比べたら住み心地の点で比較にならないほど劣るものだ。
また、基礎コンクリートを200年持たせるには、外断熱にすることは建築物理の常識である。断熱の方法は、木造、鉄骨造、コンクリート造を問わず外断熱が基本であり、内断熱は外断熱をした建物の断熱性能を高めるためにのみ用いるべきものだ。
言い換えるなら、外断熱をしない建物に内断熱を用いるのは間違っている。断熱の方法に間違いがある建物は、温度差で結露を生じやすく、カビ・ダニ、腐朽菌、シロアリの被害に遭いやすい。住む人と家そのもの健康も害され、寿命を縮めかねない。また、熱橋となる部位が多く、省エネという点からもマイナスだ。
そんな家が200年も持ったら国家的に大損失となる。「200年住宅」を本気で実現する気があるのなら、外断熱を条件付けることが絶対に必要だ。
この構想に住宅メーカーからなる「住宅生産団体連合会」の和田勇会長(積水ハウス社長)は「非常に共鳴できる」と賛同しているそうだが、これまた本気だろうか?
鉄骨系プレハブ住宅は、ダイワハウスのように外断熱にして構造体の熱伝導の弱点を解消できない限り、直ちに生産を中止すべきものだ。住む人の健康と、省エネという点から住宅には適していないからだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井









