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2008年03月01日(土)

トイレを楽しめる家

昨日、H邸の引き渡しがあった。
ご夫妻は満面に笑みを浮かべ、本当に「いい家」ができましたと喜んでくださった。
奥さんがこんなことを言われた。
「私の長年の夢を叶えてもらいうれしくてなりません。それは、トイレが二つあることです。子供が二人同居していた時、トイレの奪い合いで苦労しました。今は二人とも独立したのですが、夫婦二人の家を造ると決心した時に、トイレは二つと決めていたのです。私のトイレは二階で、主人は一階です。
体感ハウスでトイレに入り、夏は汗をかかず、冬は寒さに震えることなく、ああ、こんなトイレが欲しいと心から思いました。
その願いが叶ったのです。これからは自分のトイレを思う存分楽しみます」。
 
「トイレを楽しむ」
考えてみれば、トイレを楽しめる家、それこそが「いい家」なのではなかろうか。健康でなければ楽しめない。暑くて、寒くて、臭くて、陰気な感じでも楽しめない。
死ぬ三日前まで、トイレを楽しめたとしたら、それこそ最高の人生ではなかろうか。
 
私は話を聞きながら、そんなことを考えつつ四人の男の子を育てていた頃を思い出していた。
当時の家にはトイレは一つしかなかったので、朝のラッシュ時は四人がトイレの順番を競い合うのが常だった。
女房は、二人だけになったときによく言っていた。
「一度でいいから、のんびりとトイレに入ってみたい」と。
その後建て替えてトイレは二つになったのだが、それでも6人家族にとってラッシュ時は「早くしてくれ!」と、よく声がかかっていたものだ。
今は夫婦二人だけの利用になったのだが、女房は一階のトイレが落ち着いていいと言う。私は二階が好きなので、夫婦はそれぞれのトイレを持つことになった。しかし、互いに仕事が忙しく、トイレを楽しむだけのゆとりを持ち合わせていない。それは本当の「いい家」ではないからかもしれない。
いつか建て替えてみたくなった。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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