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2008年04月07日(月)
言わなければよかった
T信用金庫の理事長さんが立ち寄られた。
お人柄なのか、30分ほど話している間笑いが絶えず、10年来の知己であるかのような親しみを覚えた。
遅れて社長が席に加わった。
すると私はこんなことを言ってしまった。
「創業したころ、お店を訪ねて行くのはほとんど資金繰りのためでしたよ。貸し付けの担当者と面談するときはいつも気が重かったです。今こうして理事長さんと事務所で話ができるようになるとは、当時想像もできませんでした。社長、お金を借りに行かないで済むのだからありがたいと思わないと」
最後の言葉は余分だった。
「ありがたいと思え」という言葉ほど嫌味なものはない。人間性が丸出しだ。
言ってしまった後で、口中が苦々しくなった。
すると理事長さんが話を引き取った。
「私が貸し付けを担当していた時に、どうしてもお付き合いしてほしい取引先があったのです。そこは優良企業ですから資金需要がありません。ところが、ある日社長さんがやってこられて商売が不景気になったのでと借入を求めてきました。私は思わず『それはよかったですね』と言ってしまったのです。本音が出ちゃったのですね」
私はその人が理事長になられたわけをガッテンした。言わなければよかったという私の一瞬の思いを読みとって、自分の失敗談を語って笑わせてくれる機微がすばらしい。
カテゴリー: 投稿者 :松井









