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2008年05月02日(金)

喜びの声

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オランダの建築家リートフェルトの住宅デビュー作は、1924年にユトレヒト市内に建てられたシュレーダー邸である。ユネスコは2000年に世界遺産に指定した。
写真のように伝統的なレンガ張りの集合住宅に、ことさら違和感を主張して連なっている。伝統的なデザインを拒否することが、クライアントであるシュレーダー夫人のたっての願いであったという。当時、建築家は33歳。依頼者は32歳の未亡人であった。
デザインは奇抜であり、異様であり、また、建築しているカップルに物語性があり過ぎたが故にさぞかし人目を惹いたに違いない。
保守的な観の強いユトレヒトの町は、この話で持ちきりになったと思われる。
部屋の中を歩いていると、建築家のひたむきな情熱に感心すると共に、シュレーダー夫人の喜びの声が聞こえてくる。
「なんて素晴らしいデザインでしょう!
あなたは天才です。私の求めをすべてパーフェクトに実現してくださったわ。可動間仕切りによって、部屋がこのようにいくつものパターンに変化するなんて驚きです。子供たちも大喜びしています。この家に込められている工夫の数々、用いられている色彩、そして取り込まれる光は、日々の生活に変化と想像をもたらし、私に元気と喜びを与えてくれます」

シュレーダー邸が日本人の若き建築志望の人たちを魅了するのには訳がある。二階の間取りが日本家屋の伝統的な「田」の字構成となっていて、引き戸の扱い一つで空間が劇的に変化する点だ。
まるで精巧に作られた舞台装置のようでもある。
私は、社員たちにおみやげとして「シュレーダーハウス」という小冊子を買った。
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昨日お引渡しをしたS邸の二階に、シュレーダー邸の発想が生かされていた。
松木の設計を工事部の伊藤が具体化した。
これは伊藤の報告である。

はじめに設計からお客様のご要望を聞いた時、すぐに思い描いたのはトーマス・リートフェルトのシュレーダー邸でした。引き戸を直角に回転させ開け閉めするには様々な制約があり、既成品対応が出来なかったため部材選びから始め、詳細図を描き、建具屋さんと何回も検討を重ねました。途中、無理だと言われましたが会長からいただいた小冊子が刺激となったことに感謝しています。
シュレーダー邸の変幻自在さとは比べようもありませんが、お客様が喜んでくださり何よりです。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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