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2008年06月11日(水)
後姿が語るもの

昨日の朝、入社して1年2ヶ月になる設計見習いの高田に話した。
「早く一人前の設計士になりたいと思うなら、現場監督を3年ほどやってみることだ」と。
彼は二つ返事で「ぜひやらせてください」と答えた。
そこで早速、T邸の地鎮祭に連れて行くことにした。
Tさんがお付き合いされている年配の神官は、祭事に先立って、まるで高田のために教えるかのように、式次第とその意味について事細かく説明してくれた。
「玉櫛奉奠(たまぐしほうてん)は、榊(さかき)に一番自分が大切に思う願いを込めて奉るのです」と言われた。
儀式の最後に、3人の監督が並んだ。
右に3年目の加藤、中央に高田と同期の相坂、左に高田。三人の後姿の違いは目を見張るばかりだった。
マツミで3年間みっちりと修行を積んでいる加藤のは、堂々として頼もしく、一年前は頼りなく先行きが危ぶまれた相坂は、隣に立つ高田と比べると格段に成長していることが分かった。
高田は、帰り道に立ち寄ったレストランで相坂に向かって宣言した。
「ぼくは半年で相坂さんに追いつき、追い越します。さきほどご神前にそう誓いました」と。
すると相坂は笑って答えた。
「いや、絶対に追い抜かれたりはしません。ぼくは、お客様に喜んでいただけますよう、精一杯監督補助を務めさせていただきますと誓いました」と。
私は、先ほどの三人の後姿についての印象を話した。
「後姿は、その人の心構えを正直に語るものだ。住む人の幸せに対する思いの強弱が、そのまま現れるんだ。知識や経験も大切だけれど、お客様が安心されるのはその思いのひたむきさなのだ。加藤さんの背中には、感動するほどの思いがにじんで見えたよ」
加藤はいずれ静岡に帰って、父親が経営するカネカホームの社長になる人材である。
(写真の右が相坂、左が高田)
カテゴリー: 投稿者 :松井









