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2008年06月30日(月)

ご先祖様が喜ぶ家造り

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今日は国立でS邸の引き渡し、大田区でA邸の上棟が無事行われた。
いずれも杉江棟梁が担当。杉江さんは久保田紀子さんの[さらに「いい家」を求めて]に登場する大工さんだ。
 
Sさんは昭和元年に建築された家に住んでいて、庭先に新築した。プラン依頼を受けて打ち合わせにお邪魔したとき、Sさんから床の間に用いられている材料を新居に生かせないものかと相談を受けた。
マツミには、そのような仕事を得意とする大工が揃っているので、二つ返事でお引き受けした。
 
担当した杉江棟梁が床の間を解体し、床柱以外の材料をすべて復元したのだが、その仕事は半端な腕前ではできるものではない。材料が良ければそれに見合う技術が必要だ。
寡黙な棟梁が語ってくれた。
「長年の間に生じたそりや歪みを矯正するのに手間取りましたが、いい材料を再生する仕事は楽しいものです」と。
私は畳に手をついて、かまちや床板を見たのだが、かすり傷一つ見つけることが出来なかった。それは、天井の杉板と違い棚も含めて、棟梁と弟子たちが精魂を込めて表面を磨き、銘木屋が色付けをした結果である。
 
違い棚の下の物入れの襖は、奥さんがご先祖様から形見として受け継いだ着物の帯を用いている。
「箪笥の肥しにしておくよりも、こうして披露した方がご先祖様に喜んでいただけることでしょう」と、ご夫妻は出来栄えに大変満足されていた。そのアイディアは、奥さんと女性設計士である岡部の話し合いから生まれたのだが、それを作る職人探しがたいへんだったようだ。
Sさんが子供のころに傷をつけたというけやきの床柱は、床の間の反対に位置する押入れの中段のかまちとして再生された。
Sさんは、満面に笑みを浮かべ懐かしそうに傷跡に触れながら言われた。
「おじいさんも、きっと喜んでいてくれるでしょう」と。
 
A邸の上棟は、好天のもとに行われた。
建築基準法改正の影響をまともに受けて着工が半年近く遅れたのだが、その間Aさんは笑顔を絶やすことなく待ってくださった。そしてこのように挨拶された。
「当初は、鉄骨系のメーカーで建てる予定だったのですが、こうして木の家の温もり、香りに接してマツミハウジングにお願いして本当によかったと思っています」と。
式が終わって、私は杉江さんに伝えた。
「棟梁に心から感謝している」とのSさんからのメッセージを。
きっと、杉江さんはAさんからも感謝される腕を存分に振るうことだろう。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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