涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

人気の古民家暮らし

投稿日:2015年9月6日

今日横浜体感ハウスに来られた60代と思しきご夫婦は、代わる代わる今の家の住み心地について語られた。


その家は奥さんの実家で、なんと江戸時代に建てられた古民家だそうだ。茅葺屋根で、柱は石の上に載っている。平屋の家だが軒が高く、情緒があってとてもよかった。

2000年に古民家の風情はそのままにしてリフォームをした。屋根は茅葺の職人さんがいないので銅板にしたのだが、断熱材はない。

それまでは、夏は扇風機で過ごせたが、それからはエアコンを最強にしても耐えられない暑さになり、今年の猛暑続きには38度にもなった。

ところが急に気温が下がった日があった。すると、風邪気味だったせいなのか、すごく寒く感じてどうにも我慢できずガスストーブをつけてしまった。出張中の御主人に伝えると、「そんな馬鹿な。なんぼなんでも真夏にストーブをつけるなんて」と笑われたが、リフォームして、外の温度の変化を増幅してしまう家になってしまったのは間違いない。

キッチンセットや浴室は新品になり、内装も見違えるようになったものの、住み心地はかえって悪くなり、湿気がひどく、浴室をはじめあちこちがカビてしまう。


そして、冬は、暖房費がたまらない。

ガスストーブで3万円ぐらい、3匹の猫のためにデロンギヒーターを付けてあげて、足元ではホットカーペット、他の部屋では炬燵を使う。

すると、1ケ月の暖房費は安くて6万円、生活の電気を入れると7万円を超えてしまう。

風呂に入るのも覚悟が必要だし、夜中にトイレには寒くていけない。ご先祖様には大変感謝しているけれど、私たちの忍耐もそろそろ限界に近づきつつありますと、ご夫婦は笑いながら話を締めくくられた。


それから、昨晩のNHKスペシャル「新シリーズ/巨大災害/猛暑!豪雨!台風多発なぜ気象は対極化」が話題になった。

温暖化により、ここ10年の気候は二極化傾向がはっきりしてきており、これからは寒さ・暑さがさらに極端化する可能性が高いという。

そうなと、いま人気の「古民家暮らし」は、健康というよりも命に差し障るかも知れませんね、そうならないうちに建て替えを決断しなくては、奥さんの言葉にご主人が大きく頷かれた。

                      久保田紀子

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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