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住み心地のいい家 「涼温な家」を建てています。 「涼温な家」マツミハウジング

涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

換気と住み心地を重視する姿勢

投稿日:2015年9月26日

ガウディ建築の住居の代表作とされるグエル邸で気付かされることは、換気の経路が見えることだ。見えない空気が見えるということは、そう思えるように換気が工夫されているということだ。

バルセロナ市内にあって、連棟式のマンションの一画を占めるグエル邸の内部には、ガウディのこだわりが随所に見られる。1900年初頭に馬車置場を地下に設けるという発想には驚いた。施主は大富豪なので予算はたっぷり用意されていたにしても、常時数十頭はいたであろう馬の糞尿の処理が大問題だったはず。

悪臭から上階をどうやって守るか、天才建築家といえどもさぞかし頭をひねったに違いない。馬の脚を守るために十分配慮された排水溝をはじめ、換気と採光のためのものと思われる外壁沿いに設けられた明り取りを兼ねたタワー状の煙突。

ガウディが得意とする構造力学の見どころ以上に、それらは私の関心を引いた。


忘れられないのは住居のトイレである。なぜ約1m×約1.5mほどのこじんまりした広さにしたのだろうか?

建物の規模には、あまりにも小さすぎる。二方向に窓があることから想像したのだが、臭気の拡散を嫌い、臭いを速やかに排出するためにはもっとも適度な広さだと。

そうだとすると、ガウディは臭いに敏感な建築家だったと言えよう。

言い換えれば、住み心地を大切に考えていたのだ。


屋上には、ガウディ建築を象徴する排気塔が建ち並んでいる。形状だけでなく穴は一つとして同じものはなく、形と大きさが異なる。デザイン上の理由なのか、換気の効率を考えてのことなのか理由は分からない。穴に手を突っ込んでみると、かすかに気流を感じた。

自然換気で換気の効率を良くすると、当然のことながら熱損失が大きくなる。暖房しても、暖まった空気はどんどん排出され、その分、冷たい空気が浸入してくる。ガウディによって建てられた住まいは、冬は寒いと評判だったかもしれない。

そのせいかどうか、グエルさんは数年しか住まなかったそうだ。


カサ・ミラ(一番下の写真)には、直線が見当たらない。すべてが曲線による造形美だ。

つまり大量生産品は一つも使われていないということだ。建築当初は悪評だったというその徹底したこだわりが、世界中から見学者を惹きつけているのだと思われる。

閉館まで1時間というのに、エレベーターには長蛇の列ができていて、階段を上がることを薦められた。最上階まで一気には上れない。途中何回か休んでは、いま建築中の新・体感ハウスに思いを馳せた。

建築家としてガウディとは比べようもないが、換気を重視した上で、住み心地にこだわる姿勢だけは足下に跪けるかもしれないと、わが身を励ましつつ上階を目指した。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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