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住み心地のいい家 「涼温な家」を建てています。 「涼温な家」マツミハウジング

涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

イギリス ゼロ・カーボン・ホームの進捗状況

投稿日:2015年9月29日

昨年10月2日に紹介したロンドンにある政府機関のゼロ・カーボン・ハブを、省エネコンサルタントの荒川英敏さんと再訪した。

来年から予定している新築住宅のゼロ・カーボン・ホーム化を目前にして、どのような動きがあるかを知るためであった。

昨年お会いしたコージオニス担当官との面談となり、旧交を温めるとともに、様々な情報交換ができた。


開口一番、氏の口から残念そうに「バッド ニュース」という言葉が聞かれた。

英国はゼロカーボン化の実施を延期することになったという。


今年5月の総選挙で、キャメロン首相の率いる保守党が勝利し、これまでの保守党と自由党の連立政権が終焉し、保守党一党の単独内閣が発足した。これにより、連立政権時代に推し進められていた様々な政策と予算の見直しが実行され、エネルギー気候変動省管轄のゼロ・カーボン・ホームプロジェクトも見直され、期限は明確にされていないが、延期が決定されたのだという。


一方EUは、加盟国に対して「Nearly(近似)ゼロ・エネルギー・ビイルデイング(NZEB)」の採用を義務付けた。そこで英国も、まずはNZEBの取り込みに向かわざるを得なくなったそうだ。


ドイツのパッシブハウス研究所は、世界最高と言われる省エネ基準を提唱し、EU諸国はもとより、英国にもその普及を図っていた。ゼロカーボンの前段階としてゼロエネルギーを達成すべしと。


「Nearly」は目標に近いという意味なのだろうが、どこかあいまいな形容詞だ。

もともと、「ゼロ・カーボン・ハウス」や「低炭素住宅」があいまいで、造る側として意気込んで目標にする気が起こらない。お客様にとっても、「よしっ!家を建てるぞ!」となるものではない。

ゼロ・エネルギーに「Nearly」をつけたところにEUの難しさが見て取れた。

目標を高くし過ぎて、フォルクスワーゲンのようなメーカーが出てきたのでは困るのだ。


日本は、2020年にはゼロエネの義務化を図ると同時に「低炭素化」の実施も目論んでいる。

こうなると、住宅後進国と言われていた国がいつの間にか最先端に立ったようにも思える。 でも、あまりいきがらないことだ。住宅の根源的な価値は住み心地なのだから。

パッシブハウスより性能や数値に於いて劣っているとしても、住み心地が良い方が健康維持増進のためにはるかに役立つのは確かなのだから。


ギリシャ人であるコージオニスさんの語り口は、イギリス人とはまるで違いゆっくりしていて、身振りも大きく理解しやすかったが、荒川さんはこんな風に通訳してくれた。


「ドイツによって開発されたパッシブハウスは、学研派による構造体の断熱性能の追求があまりにも行き過ぎて、住宅が断熱箱のようになり、昨年もこの席で話題になったオーバーヒートの問題が顕在化している。


住宅で最も大事なコンフォート(住み心地)を二の次にしていると思わざるをえない。コンフォートを左右するのは、松井さんが力説しているとおりMVHR(換気システム)のフィルターの定期清掃と点検であるのは確かなことだ。


イギリスはもちろん、EUはその重要性を大いに議論すべき時に来ている。これを解決することに注力されている松井さんの努力と実績には大いに敬意を表し、我々も学ばなければならないと思っている」。


コージオニスさんは、住み心地こそが住宅の根源的な価値であるという認識をしっかりと共有していた。

同席していた女性担当官も、大きく頷いていた。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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