涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

室内浮遊粉塵

投稿日:2015年6月25日

(大工さんの祈りが通じて、雨雲は去って行った。)

テレビ朝日の番組「林 修の今でしょ!講座」を、過日たまたま見ていたらホコリが取り上げられていた。

お部屋の掃除の悩みを科学の力で解決しようというものだった。掃除の際の悩みで上げられた3つが 「油汚れ・ホコリ・カビ」。

この中で、私が興味を持ったのは「ホコリ」だった。

街頭インタビューで答える奥様達は、「掃除してもすぐホコリだらけになります」「窓が閉まっていても、家の中がザラザラです」「ふだん、あまり掃除していないところなんかを手で拭うと、ホコリがすごくてビックリします」「子供が喘息なのでホコリには気をつかいます」などの声が聞かれた。


番組ではまず、「ホコリって何なのだろう?」から始まった。

ホコリは謎多き物体だとしながら、ホコリの正体は色々なものが混ざった集合体で、とくに繊維が骨格となって他の汚れが絡まっている。

顕微鏡に拡大された映像には、繊維に人毛、ダニの死骸がからまっていて思わず「うぇー」と声を上げたくなった。

家庭内のホコリ成分は、繊維が約55%、砂、土砂が約30%、食物、ダニ、フケなどが約15%で構成されているそうだ。

そのホコリ1グラムの中に、なんと、ダニの死骸や糞が約2000匹分、カビの胞子約3万個、細菌約800万個が含まれているという。


次が、「ホコリがすぐに溜るのはなぜ?」だった。

ホコリは常に身の回りにあって、人やペットと一緒に生活をしている。

スタジオ内を暗くして、特殊カメラでホコリを映し出す。コメンテーターの周りには無数のホコリが浮かび上がった。

人が服を着脱したり、絨毯の上を歩いただけでも驚くばかりのホコリが発生した。


肝心なところはここからだった。

室内のホコリは、いつまでもふわふわと浮いている浮遊粉塵と、床に落ちる堆積塵に分けられる。問題なのは、この浮遊粉塵。健康に悪影響を与えるという2マイクロメートル(0.002mm)以下の大きさのものは、無風の状態であれば1cm落ちるのに1分かかるという。それらが落ち着くまでには5から6時間はかかるだろう。寝返りを打っただけで、布団の上に積もった粉塵が舞い上がる。夜中にトイレに行けば、せっかく床に落ち着いた粉塵も舞い上がってしまう。

ということは、寝ている間中、粉塵を吸い続けるということだ。


「涼温な家」であれば室内の天井に設けられた排気が見事なほどに浮遊粉塵を吸い出してくれる。その分、浄化された新鮮空気が供給されるので、寝ている間に吸い込む浮遊粉塵は激減する。


「全館空調」は、吸い出すべきところから給気するために、浮遊粉塵がぐるぐる室内を回って常に寝ている人の顔の上にと降り注ぐ。換気の経路を逆転させないことには、この問題は解決できない。

「無垢の木と漆喰を用いれば、空気がきれいになる」とか、「自然換気が健康に一番」などと非科学的なことを未だに言い続けている造り手がいるが、浮遊粉塵が健康に与える影響については口をつぐんでいる。

「無添加住宅」、つまり化学物質を一切揮発しない自然素材で造るといくら自慢しても、室内浮遊粉塵は減少するものではないのだから、うかつに「健康住宅」と言うべきではなかろう。

コメンテーターに成り代わって書いてみた。


  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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