涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

今は良くても

投稿日:2015年4月17日

最近の流行のデザインは、アーバンスタイル、つまり箱型住宅だ。

屋根が見えない。見せたところで、あの黒い太陽光発電パネルでは味気ない、そこで片流れにして、パラペットを立ち上げ壁面の変化で見せる。

一見、合理的でコストダウンにはもってこいのデザインだ。


モダニズム建築の旗手であったオーストリアの建築家オットー・ワグナーは、「建築は時代が必要とする様式である」と言ったそうだが、箱形デザインは、太陽光発電の効率を追わざるを得ない時代の要請からの必然とも言える。「装飾は罪悪である」と言ったワグナーの弟子のアドルフ・ロースから絶賛されると思われる低価格箱形住宅は、最近では見飽きた光景ともなりつつある。


断熱材を厚くして、7キロワット以上を載せれば、ゼロエネが達成できるだけでなく、売電してローンに充当できるという提案が花盛りだ。

そのトップランナーである一条工務店は、売れて売れて現場が間に合わないようだ。床を張って壁を立ち上げたまではいいが、屋根が掛からない。大工が間に合わないのだろう。

ツーバイフォーの家は、ブルーシートも掛けないまま放置される現場がやたらと目につくようになっている。

合板で固めた家だ。雨ざらしになる状態ほど、合板をダメにすることはないというのに。


話しを元に戻そう。

屋根が見えない造りは、雨仕舞が心配だ。板金とコーキング頼りにならざるを得ないからだ。それらは何年もつだろう?

太陽光パネルの寿命が約20年と言われているが、ほぼ同じだという職人も多い。

今は良くても、20年後には雨漏れに悩まされることにならないか。

私は、屋根が見えない家は造りたくない。住む人の幸せを心から願うと、たとえ時流に乗れないとしても雨漏れは絶対に起こしたくないのだ。

単純ではあるが、切妻屋根に優るものはない。


拙著「涼温な家」(創英社・三省堂書店)をお読みいただきたい。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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