涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

人工知能

投稿日:2015年4月23日

全館空調の運転の仕方を、住む人に代わって人工知能を利用して制御し、常に最適な室温に保つ設備機器を開発したのがアメリカの「ネスト・ラボ社」。同社をグーグルが買収したというので話題になっているようだ。

いよいよ本格的なスマートハウスの登場と期待する声は高い。しかし、人工知能を活用する前段階に、全館空調の急所はダクティングにあることを知るべきだ。

適当な太さ、適切な長さ、曲がり。それぞれの空気抵抗に対する知識と施工力なくして、過不足のない風量を確保することは難しい。専門業者だから、大手ハウスメーカーだから安心とはならない。一棟、一棟じっくりと観察し手仕事で最善を追求するものだからだ。


「センターダクト方式」は、空気抵抗が小さいことと、工夫された換気経路によって冷・暖気を家中くまなく効率よく分配できる。しかも、「冷暖」を「涼温」に中和してくれる。部屋の中では、住人は自分の好みに微調整もできる。

やさしく全身を包み込む、ハグされるような心地よさは格別だ。


人工知能による快適の制御は、日本の気候特性と日本人の繊細な肌には合わないだろう。アメリカ人とでは、住み心地に対する感性が違う。住人の認知機能が低下した場合には必要となるが、正常な状態では、快適の押し付けは不快となる。快適は自律の感情だから。


涼温は、欲しいときに欲しいだけ得られて、「ちょうど良い」状態が持続するのが一番だ。しかし、その日、その時の体調、気分、時間、人数によって感受性は変わる。それを人工知能に常に干渉されたら、うんざりすると思う。


中国北京市でのPM2.5の室内での吸入量は、室外の4倍にもなるというニュースに接して、つくづく機械換気を必須とする家づくりの大事さを思い知った。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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