涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

94歳で建てた「涼温な家」

投稿日:2015年2月28日

キッチンの左手には玄関に通ずる廊下と階段がある。

通常その手前にはドアがあるものだが、この家にはない。温熱的に必要としないからだ。94歳になるお父様は、「一時代前には考えられない家だね」とほとほと感心されていた。

そして、「エアコンが見当たらないけど、夏の暑さに大丈夫だろうか?

なにせ私は、暑さに弱いからね」と心配された。

ここまで家づくりをサポートして来られた娘さんが、声を張り上げて説明した。

「お父さん。いま暖かく感じますよね。ちょうど良い暖かさでしょう。夏も同じようにちょうど良い涼しさになるんですよ。それも家の中全体がです。

お父さん、家の中を歩きましょうね。

では、二階に上がってみましょうか」

娘さんは、お父さんを二階に誘った。

「階段を上がるなんて、久しぶりだな」

お父さんは、手すりにつかまり一歩一歩、上って行かれた。

同居予定の姪御さんが後ろ姿を敬愛の眼差しで見守っていた。


帰り際に握手を求められた。

お父さんの手は、弾力があり、得も言われぬあたたかさだった。

そう感じた瞬間、尊敬の思いが胸いっぱいに広がった。

私も94歳の時に、こんな感動的な握手を交わしたい。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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