涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

蚊帳のやすらぎ

投稿日:2014年5月28日

昨日、社員たちと昼食をした席で、一昨日の朝日新聞夕刊が報じた「蚊帳の安らぎ 復権」を話題に持ち出してみた。8人がテーブルを囲んでいたが、「蚊帳」を知ってるのは3人だけだった。

今年専門高校をトップの成績で卒業して入社した10代の女性社員から、「かやって何ですか?」と質問された。

私は、蚊帳について説明した後で、記事を思い出しながら話をした。

「まだエアコンがなかった時代、あなたのおじいさんが子供の頃、夏は窓を開けないことには暑くて暮らせなかったんだよ。すると蚊が入ってきてしまう。そこで蚊帳を吊り、家族みんながその中に入って寝るのさ。

朝起きるとそれを外して、たたまなければならない。これがたいへんな仕事でね、母は食事の支度で忙しいから、長男である私が弟と姉に手伝ってもらってやるんだ。

丸めて押入れの中に押し込んでしまいたくなるのだが、夜になってまた吊るときのことを考えるとそうはいかない。子供ながらに工夫したものだ。

それを今の時代に、吊ることを提案している工務店があるそうだ」

「なんで、ですか?」

20代の工事部の女性社員が質問した。

「クーラーが嫌いなお客様のため、ですって。つまり、冷房時も暖房時にもエアコンの風がじかに当たらなくて済むから、そうした方が快適になるというわけだ。それに、どこかの保育園では、高い天井に落ち着かない園児がよく眠れるようになったと書いてあった」

すると、30代の設計部の女性社員が言った。

「冬にも使うのですか?『涼温換気』をその工務店と新聞記者に教えて差し上げたいですね。」

「みんなどうかな。一度、この部屋に蚊帳を吊って昼寝をしてみたら?」

私の提案にすかさずブーイングが起こった。

「休憩室でマッサージ機に乗る方がよほどありがたいです」

40代の設計部の女性が言うと、ほとんどが賛同した。


エアコンの風は、蚊帳を吊ってまで避けたいほど不快なものだ。しかし、注意が必要だ。たたむのが面倒だと布団を敷きっ放しにすると、畳でなくフローリングの床であってもカビが発生する危険がある。育ち盛りの子供の場合、夏は大量の汗を発散する。冬は、敷布団を通過した水蒸気が床面で結露を生ずる場合がある。私の母は、それを知っていたから毎朝たたませたのだと思う。

ここを書かずして、蚊帳と工務店の宣伝のような記事は無責任というものではなかろうか。

昨日ご紹介した「涼温な家」を、ぜひお読みいただきたい。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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