涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

気候の大変動

投稿日:2014年3月26日

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)総会が、横浜で開かれている。

温暖化にこのまま手をこまねいていると、ある日、想像もできないような気候変動が起こって、悲劇的な結果を招くであろうとパチャウリ議長が総括していた。

一方、昨日の日経科学欄で「温暖化 適応の時代へ」というテーマの記事が始まった。「地球温暖化問題で『適応策』という新たな概念が世界で広まっている」と書き出しにある。

4月1日の(下)で、適応策の一つとして住まいに触れるか否かが気になったが、国家主導でリスクを軽減していくと結ばれた。


昨年夏の猛暑や、10月に入ってからの観測史上初の35度を越え、そして今年2月に体験した120年振りの大雪の被害などから、対応策はいろいろと学ぶことが出来た。しかし、「適応策」となると話は別だ。私には、気候大変動についての知識は極めてわずかしかないが、家づくりに携わる立場では、対応策は出来る限り究めなければならない。


「歴史を変えた気候大変動」ブライアン・フェイガン(河出書房新社)によれば、すでに14世紀に入った頃から、異常気象が頻発し、寒暑の差が激しく、大洪水や大雪に見舞われた経験を、人類はしてきていることが物語風に描かれている。

その当時の住まいと比べれば、「涼温換気の家」は夢の世界であろう。が、裏返して考えると、それだけの気候変動を体験してきているにもかかわらず、住まいの対応があまりにも遅れている。

最新の省エネ基準では、太陽光発電を搭載するとエネルギー的な課題はクリアできてしまうが、少々の気候大変動にびくつくことなく安心して住める家とは程遠い。


これからの造り手がまず大事にすべきは、いかに気候が変化しようとも住む人にきれいな空気を供給することである。この点では、「涼温換気」は及第点が取れる。では、「寒暑の差」についてはどうか?

これまでの体験では及第であるが、これから起こるとされる想定外の気候の大変動には不十分であると思われる。そこで、4月16日に開催予定の「いい家」をつくる会セミナーでは、断熱強化策をテーマにした。


外張り断熱をして、構造体の外側に気密・防湿ラインを構築する我々にとっては、構造体の内側に断熱材を付加することは容易である。

マツミではすでに3年前から、性能表示制度の最高の耐震等級で付加断熱(ダブル断熱ともいう)の施工を、希望するお客様の家で実施している。


IPCCのパチャウリ議長の演説する眼差しには、近い未来を見通すかのような迫力を感じた。この際、警告を素直に受け止めて、会としても「ダブル断熱」を標準化していくべきであろう。


  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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