涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

住宅業界は、わけがわからない世界

投稿日:2014年2月3日

先週の勉強会に参加されたお客様が、横浜体感ハウスへいらした。

予算の話をした後で、その方が言われた。

「娘が5年前にSハウスで建てたのですが、孫に会いに行く度に、大手メーカーは止めておこうと思い、信頼できる工務店を探していました。

ところが、これが簡単には見つからないんです。過日、『神様が宿る家』の勉強会に行ったところ、提唱者だというSという人が講演しました。

説得力があると言うか、すごい意気込みでした。Sさんは、電磁波の発生がほとんどないからということで、ドイツ製のラジアントヒーターを勧め、自らフライパンでハンバーグを調理して客に振る舞っていました。


その他にも、なんと言ったかなー、忘れてしまいましたが健康に絶対にいいと、いくつか勧めていました。終わってから疑問に思いましたね。いったい、この人は家を建てるのが商売なのか、健康器具のセールスマンなのかと。結局、何を学んだのか分からなくなってしまいました。

でも、その方の講演依頼が、全国から殺到しているそうです。教えに従うと、行列のできる工務店になれるとのことでしたが、客の立場では、家って何十年も住むわけですから、いっとき勢いが良くても、10年後には消えてしまうようでは困ります。長続きする経営をしてもらいたいと思いました。

松井さんは、どうお考えになりますか?」。


私は、過日三菱UFJの支社長さんが挨拶に来られた時の会話を思い出しながらお答えした。

「メーンの西武信用金庫さんは、創業してまもなくからのお付き合いですから、私の考えを理解してくださっていますが、銀行さんは経営者に対する期待が違います。今期は、前期より何%売り上げが増し、利益が増えるかを重要視します。


私は、利益を出すことは大事ですが、それと共にアフターメンテナンスをより充実し、お客様に安心して暮らしていだくにはどうしたらよいかを考え実践することが、もっと大事だと思います。それが、不安な状況にあるときは、受注をセーブします。これは、実際にはすごく難しい。それ行けドンドンの方がはるかにやさしいです。しかし、そうして調子よくやっても、二代目、三代目がアフターメンテナンスで苦しんだのでは、何にもなりません。


負の遺産は、お金の場合は解決策があるでしょうが、アフターメンテナンスという問題は、簡単には解決できないからです。大手ハウスメーカーさんは、専門の子会社をつくって有料で対処していますが、工務店には真似できません。ここが工務店の弱みでしょうね。


しかし家は、生き物です。その家が存続する限り、面倒見が必要です。ということは、後継者が苦しむような家づくりをしてはならないということです」。


その方は、大きく頷きながら言われた。

「住宅業界に首を突っ込んでみたら、あまりにもわけのわからない世界なので驚いています。大手は、新聞やテレビの広告とはまるで違う家をつくる。最近の広告は、意味がよく分からないものが多くなりました。『家に帰れば、○○ハウス』とか、太い柱の下にいると、木陰がどうのこうのとか。『新三種の神器』では、客が集まらなくなったのですかね。PM2.5について質問すると、そんなものは心配ないと軽く扱いますし。かといって工務店はといえば、神頼みをしている。

松井さんの家づくりが、いちばん合理的だと思いますが、予算がオーバーしてしまいそうです。

ここは、ゆっくりと時間を掛けて、何が本当に良いものなのか、投資する甲斐があるのか、じっくりと勉強してみたいので何度かお付き合いをお願いします」と、帰っていかれた。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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