涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

こたつは健康寿命を短くする

投稿日:2014年1月4日

3か月ぶりに実家を訪ねると、両親はこたつでみかんを食べていた。


玄関に入ったとたん、職業意識が目覚めさせられた。

換気が正常に作動していない。

予想したような温かさがない。

これは何か原因があるはずだ。


私は、まず家の周りを見て歩いた。すると、案の定、床下ダンパーが開いたままになっていた。1年中、開けなくていいと言っておいたはずなのに。81歳になる父は「床下の通気は一年中大切なのだ」という固定観念を捨てきれず、ダンパーを開けると第3種換気が正常に作動しなくなってしまうという説明では、その固定観念を払拭できないでいたようだ。

「開けるのは夏の爽やかな風のある日だけでいいの。冬も開けておいたら窓を開け放っているのと同じだから寒くなるのが当り前よ」。

私は母に言った。

「わかっているわよ。でも父さんは、昔から日本の家は通気性を何より大切にしてきたと言って応じないのよ」。


それにしても寒い。

今度はクレダ暖房機を点検した。なんと2台ともヒンヤリしているではないか。

蓄熱と放熱のダイヤルを見ると、両方とも最低に絞ったままだった。

「それで十分なのよ。父さんも私もそんなに寒く感じていないのだから。あんたの家が暖か過ぎるのと違う?」

「お二人とも心臓の手術をしたのでしょう。温度差が何よりもよくないとお医者さんに言われたでしょう!節電と、命とどちらが大切なの?」

私は、つい言葉を荒げてしまった。

一緒についてきた長男がとりなした。

「じいちゃんとばあちゃんが寒くないと思っているのだから、これでいいんじゃないの」

「だめよ。脱衣所のクレダだけは目いっぱい蓄熱してちょうだい」

父が話に割り込んできた。

「ダイヤルが2つもあって、操作が面倒なのだよ。目いっぱい蓄熱すると、天気のいい日は暑くて仕方がないし、ちょっと寒いのを我慢する方が面倒なくていいんだよ」と。

その話を聞いて私は反省した。

高齢者にとって、ダンパーや冷暖房機の操作は思いのほか厄介なものなのだ。「涼温換気」のように、スイッチポンで寒さ暑さに対応できない。


自宅に戻って、新年最初に空気浄化装置のふたを開いた。

案の定、フィルターは真っ黒だった。年老いた両親が、この汚れた空気を吸っているのかと思うと胸が痛んだ。この汚れの中には、発がん物質と特定されたPM2.5も含まれているに違いない。

私は、両親に寒いときはエアコンをつけるように言った。でも両親は、夏に数回使っただけだと言っていた。ということは、カビが発生している可能性がある。年寄り夫婦がそれを心配してクリーニングに費用を掛けるわけがない。

「涼温換気」の場合はどうなのだろう。先月、マツミハウジングの羽田さんがエアコンの点検に来た。カバーをはずし、照明を照らし内部を見せてくれた。1年半も使っている割に新品同様なきれいさで、カビが発生している様子は見られなかった。羽田さんは、エアコンに取り込まれる空気が、一般の家と比べてはるかにきれいなことと、この家にはカビの胞子がほとんど飛んでいないことが理由だと説明してくれた。メンテナンスは3年に1度で心配ないとのことだった。


私は、フィルターを交換しながら、母との会話を思い浮かべていた。

「いまね。マツミの家づくりはすごく進化して、『涼温換気』というすばらしい方法になったのよ。スイッチポンで家中を温かくも涼しくもできるの。それだけでなく空気が健康に、とってもよくなったの。フィルターの掃除には、月に一度、子供たちを寄こすわ。どうリフォームしてみない?10日間でできるのよ」

「ありがたい話だけど、私たちはこの家でとても満足しているの。だって知り合いの人が遊びに来ると暖かいってびっくりするわ。息子さんが新築した家に同居することになった友達は、寒くて起きるのとお風呂に入るのがつらいと嘆いているのよ」

「だめよ。こんなあたたかさでは。お願いだから暖房を惜しまないで。家中もっと温かくして。そうすればじいちゃんがこたつから出て気軽に動き回るようになるから。こたつは健康寿命を短くすると松井さんが言っているとおりよ」。

私は母を懸命に説得しながら、両親に「涼温な家」に住んでもらい、長生きして欲しいと心から願っていた。

                      久保田紀子

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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