涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

増え続けるヒートショック

投稿日:2013年12月19日

先日、歌舞伎役者・中村獅童さんのお母さんが自宅浴槽内で亡くなっていたという報道の際に取り沙汰されていたのは、風呂場でヒートショックにより倒れたり亡くなったりする人がいまだに多いということだった。風呂場だけではなく、廊下やトイレで倒れる人も多いという。

風呂場の場合、温かい部屋から出て寒い脱衣所で裸になると、血管が収縮して血圧が上がる。浴槽につかると血管が拡張し、今度は一気に血圧が下がる。この激しい血圧の変動で脳溢血や心不全を引き起こすのだという。暖房している部屋から、廊下やトイレ、浴室へ行けばその温度差は20度近くになることもあるだろう。

対策として上げられたのは、脱衣所や風呂場内を事前に温かくしておきましょうということだった。


昨晩、わが家では洗濯機が故障してしまった。今日、さっそくやってきてくれた日立家電のサービスマンは、実に礼儀正しく感じが良い人だった。故障の原因が、販売店の排水の接続方法に問題があることを究明したのだが、洗濯機の真下にあるホースをはずと、たまっていた水が床に流れ出してしまうという。

用意した雑巾ではとても間に合わなくて、私は収納棚にあるタオルを使ってもらった。

「直りました」と言うので行ってみて驚いた。

サービスマンの顔から、玉の汗が流れているのである。

私は、タオルを差し出して拭くように勧めた。

すると彼は、大いに感謝した後で言った。

「いやー、こんな暖かな家を訪ねたのは初めてです。たいがいの家は、洗濯機が置いてある場所は、いまどきは外と同じかそれ以上に寒いです。とくに床が底冷えしています。ですから、下着をヒートテックにして重ね着して用心しています。

この家は、床暖房ではなさそうですし、エアコンもついていないし、いったいこの暖かさは、どんな暖房機でやっているのですか?」

「これはね、『涼温換気』といって・・・」

私が得意げに説明を始めた時に携帯が鳴ったので、彼はあわてて挨拶をして立ち去った。


今日は練馬区石神井町でE邸のお引き渡しがあった。あいにく近くのコインパーキングが空いていなくて、10分ほど歩くことになった。途中、寒さが身に染みたが、神奈川県秦野市では3日掛かりの大きな上棟に取り組んでいる最中だ。総勢18名が社長の陣頭指揮のもと、寒さを吹き飛ばしてがんばっている。

玄関に一歩入ったとたんに、思わず、「あー、温かい!」と久保田さんと同時に歓声をあげた。

Eさんは、満面の笑みで言われた。

「今日からわが家となる家の温かさがどの程度のものか実感したくて、薄着できました。本当に温かいですね。感動しました。これからの暮らしが楽しみです」と。

そして、言われた。

「工事をしてくださった大工さん、職人さんもそうでしたが、マツミさんの社員さんたちの人間力のすばらしさに終始感動させられました」


私は、秦野で上棟に携わっているトビ職人、棟梁の安部さんをはじめとする大工さんたち、そして工事部の社員たち一人一人の顔を思い浮かべながら言った。

「そのお言葉は、ほんとうにうれしいです」。

きっと、秦野のEさんご夫妻も、今日、同じ思いでいてくだるに違いない。

そう思うと、胸が熱くなった。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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