涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

夕焼けの空

投稿日:2013年11月15日

年に何度か、天は感動的な美しさを空に描いて見せてくれる。

社員の一人がそれに気づいて、「空を見てください!すばらしい夕焼けが見えます」と社内放送をした。

「うわーっ!きれい」

あちこちの窓辺から感嘆詞が飛んできた。

みんなが、バルコニーへと駆け上がった。

私は、瞬時に体感ハウスのバルコニーからの眺めが最高なはずだと判断し、車に飛び乗った。5分で着ける。しかし、この5分間にも夕日はつるべ落としのように沈んでしまうに違いない。

気が焦る。

歩道で立ち止まり携帯を空に向けている女性の姿が微笑ましかった。と同時に、よちよち歩きの赤ちゃんが見えた。母親が、写真を撮ろうとして手を放した一瞬に、赤ちゃんが道路によろめくように飛び出したのだ。

私は、とっさに急ブレーキを踏んで車を停めた。母親がすぐに気付いて、赤ちゃんを抱き寄せ、「すいません。あまりにも空が美しかったものですから」と謝罪した。

もう1秒遅かったらと思うとぞっとしたが、私は「ほんとうにそうですね」と笑顔を返した。


階段を二段上がりして、バルコニーに立った。

期待した夕焼けの空はすでになくなっていたが、夕日は初冬の闇と代わる寸前の輝きを放っていた。

私は、先ほどの親子の幸せを祈った。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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