涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

日高の家

投稿日:2013年10月24日

(外張り断熱が終わり、縦胴縁が打たれているところ。この状態であれば、台風が来ても内部には雨一粒も侵入しない。西村棟梁の腕をもってすれば、相当隙間面積(C値)は「0.2CM2/M2程度でしかない。すごい気密レベルなのだ。気密レベルは、現場の良心の程度を表す。住み心地の良い家にするためには、C値が0.5以下であることが必要条件となる。断熱性能以上に気密性能に着目することだ)


のどかな風景の中に、I邸は建っている。

付近にはゴルフ場がたくさんある。私は30年ほど前を思い出した。当時は、毎週のようにゴルフ場通いをしていたものだ。もうちょっとでシングルプレーヤーになれると思うと、練習にも熱が入った。それが、本を書こうと思い立った時から、すっぱりと止めた。


迎えに出た棟梁の西村さんに聞かれた。

「会長は、昔このあたりに毎週のように通っていたのではないですか?」

「毎週はオーバーだけれど、よく来ていたね」

「あんな遊びに、なんで熱中するのですかね?」

スキーが得意の人には不思議に思えるらしい。

「家造りの方がはるかに楽しいから、私は止めてしまった」

そのとおりなのである。趣味は、と尋ねられたら私は迷わず「家造り」と答えることにしている。


「私の家から現場まで車で30分ほどの距離ですが、これからこの辺りは、紅葉がきれいですよ。近くには温泉もあるし、木工事が終わる前に、社員さんたちを連れて現場見学に来られたらどうです?

「それはいいアイディアだね。小型バスを借りて、ミニ社員旅行とするか。川越のI邸も見学し、有名な"小江戸"の名所を見物してからこの現場。そして近くの名栗温泉で宴会。いや、その前にミーティングだね」

「会長、宴会の前に仕事を持ち出すのはよくないですよ」

「そうだな。私の旅行プランがいまひとつ受けないのは、仕事をミックスするからかもしれない」

「ではこの案は止めて、いつものように冬になったらスキー旅行に行きましょう!宴会よりも、みんなはるかに喜びますよ」

新提案を出したとたんに、西村さんの顔が急に明るくなった。傍らにいた弟子の佐藤さん、長男の大樹さと弟の駿さんも元気よく「賛成です!」と応じた。

「ところで台風の心配はないかな」

「まったくありません!」

みんなが口を揃えて断言した。頼もしい限りである。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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