涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

在宅介護の時代の住まい

投稿日:2013年8月20日

  (中心が86歳のおばあちゃん)


18日の日経一面トップに、「政府は高齢者向けの介護サービスを、自宅にいたまま世話をする『在宅型』中心の仕組みに改める。(中略)特別養護老人ホームなど高コストの介護施設の増加に歯止めをかけ、財政負担の膨張を抑える」という記事が掲載された。

私は、今から15年ほど前、<「いい家」が欲しい。>を執筆しているときに、いちばん思いを込めたのは、いずれ到来せざるを得ない「在宅介護」時代に、どのような家が「いい家」と言えるのかということであった。その思いを「老後頼れる一番確かなもの」として書き上げた。そしてその思いを一貫して持ち続けたからこそ、「涼温換気の家」にたどり着けたのである。


今日中野区で上棟されたA・Mさんの奥さんは介護の仕事に携われていて、いろいろな家に出入りされているので、私の意見に共感したという。

背筋がしゃんとして実に若々しく見える86歳になられるおばあちゃんも、「いい家三部作」を読まれ、この家ならばと納得されて「涼温換気の家」を選択されたそうだ。

ご家族は、上棟されたわが家の晴れ姿を満足そうに見上げられていた。


「老後頼れる一番確かなもの」の一部を、ご紹介したい。

<五〇歳を過ぎたら、六〇歳以後の自分の生活と家との関係を徹底して検討する必要があります。

その場合に、いずれは子供たちが面倒を見てくれるであろうというような甘えた考えは一切持たないで、理性と想像力を発揮してシビアに検討してみるのです。

風邪を引いて熱が出て、寒気におそわれながらトイレに行く時や、寝たきりになって、梅雨時や秋の長雨の季節をカビ臭い部屋で過ごさなければならないことや、膝や足腰を傷めて、洗濯物を干さなければならない場合や、手助けなしで風呂に入らなければならない状況などをできるだけリアルに想像するのです。

シロアリに食われて浴室が使えなくなってしまう場合も、地震で家が倒壊し、避難所暮らしを余儀なくされる様子なども。

そして、どんなに自分が家族のために貢献し、尊敬されていたとしても、寝たきりになって一年も過ぎると、家族にとって大きな負担になっていくであろうことも想像してみることです。

「公的介護保険制度」があっても在宅介護が上手くいくかどうかは家の条件に大きく左右されます。

快適で健康的な暮らしへの配慮が十分された家は、介護する人が楽です。

その反対に、住み心地に関わる基本性能の乏しい家は、老朽化とともにますます寒さや暑さや湿気、そして臭いがひどくなり、その中での暮らしは不快で、つらく、惨めなものになっていくでしょう。

ですから、これから造る家を「安く、早く、簡単に」造ることほど損なことはありません。より快適に、楽しく、健康的に暮らせて、老後頼れるいちばん確かなものにすることです。>

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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