涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

「家づくりの常識」?

投稿日:2016年11月5日

(東京都瑞穂町に先月完成したY様邸。1か月点検。「まだ暖房はつけたことがありませんが、毎日半袖で暮らしています」とのこと。ご夫婦、息子さんの3人暮らし)


つい最近「家づくりの常識」(現代書林)を出版された兼坂亮一さんは、中央大学法科の1年先輩である。23年ほど前は「外断熱(外張り)」で先行されていたのでモデルハウスを訪ねたことがあった。

兼坂さんは、東京一の規模を誇る立川住宅展示場の一角で、床暖房「ウェルダン」を武器に大手ハウスメーカーと戦ってきた。

激戦地で生き延びるには、想像を絶するようなご苦労があったと思われる。

いまでは構造・断熱・換気・冷暖房の方法のすべてで私とは考えが異なっている。


断熱の方法を「内断熱(充填断熱)」変更した理由について、

「日本は地震の多い国なので、外張り断熱工法は適さないのです」

「平成11年に次世代省エネ基準が告示され、外張り断熱工法は時代遅れの工法になりました」と、自己弁護されている。

そのいずれもが、外断熱を否定する理由にならないことは、常識的に知られている。外断熱で対応できないほど基準のレベルが上がったら、相応に充填断熱を付加すればいい。断熱の基本は、「外」であることは世界の常識だ。

地震を心配するのであれば、内部結露はもとより、強風をともなった豪雨に見舞われたときの「充填断熱」の方がリスクが高いことを知るべきだ。


換気については、こんなことが書いてある。

「以前は、熱交換型換気方式(第一種)が主流でしたが、最近は排気型換気方式(第三種)が主流になりつつあります」

「熱交換型換気方式は、ダクト内の汚れが問題です。熱交換機のフィルターには虫の死骸やクモの巣があり、新鮮空気はそこを通過するのです。それを見た私は、深呼吸するのが怖くなりました」。


クモの巣は見たことがないが、私もフィルターの交換をするたびにあまりの汚れ具合にゾッとする。もしフィルターがないとしたら、肺がその役を強いられると思うからだ。

「排気型(第三種)」も、外気の吸入口にフィルターをつければ同じことである。

外気は驚くばかりに汚れているのだ。兼坂さんは、どうやらフィルターを使っていないようだ。ということは、住む人の肺を黒くしていることになる。


第三種は、最近、住宅先進国では省エネという点で使われなくなったのは常識だが、強風時の風切り音、湿気・冷気・熱気・騒音の侵入に対する配慮が欠かせない。

第三種を第一種にリフォームする人は多い。しかし、その反対は皆無である。


ところで、「ゼロエネ住宅」賛歌が高らかに響き渡る住宅展示場の中にあって、<ソーラーパネルを普及させる国の政策は、大企業を支援する「アベノミックス」の政策であり、建て主にとって何のメリットもありません。その恩恵を受けるのは、「シャープ」であり「京セラ」であり、「大手住宅メーカー」なのです>との意見は、勇気ある発言だと思う。



  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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