涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

「しらべの蔵」

投稿日:2016年12月3日

調布市K邸の敷地内に建つ土蔵は、いまから90年前の大正15年に建てられたそうだ。

「しらべの蔵」と名付けられ、30席の音楽堂としてオープンした。

そこには、木地仕上げのうっとりするほど艶やかでセクシーなピアノが置かれていた。世界三大ピアノの一つとされるC.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)である。

なんと、このピアノが製造されたのが90年前だとのこと。

Kさんは、90年という時の流れの偶然の一致に感動されて、外国から取り寄せたそうだ。

いやが上にも、期待に胸が膨らんだ。

私は、ピアノを取り囲むようにつくられた二階席の端っこで、土蔵に置かれたベヒシュタインがどんなふうに響くのか、かたずを飲んで見守った。


演奏者は、内藤 晃さん。

ブラームスから始まって、バッハ、クープラン、ショパン、リスト、最後はファリアの火祭りの踊り。途中、友人の方の歌も聞かせていただいてあっという間に1時間が過ぎた。

土蔵は、古民家再生の専門家によって見事な音楽堂に蘇っていた。

演奏もすばらしかった。


棟木に書かれた棟梁の署名を見ていると、まるで棟梁も一緒に聞いているかのような感慨が沸き起こった。90年後に、音楽堂として利用されるとは想像もつかなかったに違いない。

マツミハウジングにご自宅の建て替えを依頼してくださった今は亡きおじいちゃん、そしてご先祖様のお喜びの姿が目に浮かぶようだった。


ちなみに「しらべの蔵」というネーミングは、調布市の「調」を「しらべ」と読んで付けられたという。

文化の一翼を担いたいというKさんご一家の熱い思いが込められている。


  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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