<<2006年02月 | メイン | 2006年04月>>
2006年03月30日(木)
受動喫煙
タバコの嫌いな人を押さえ込んで、無理矢理吸わせたとしたら犯罪ではないのか?
食事の場での喫煙は、他人に食べ物と一緒に煙を吸うことを強要しているのと同じだ。
味は悪くなるし、不快でたまらない。
どうして経営者はそれが分からないのか?
受動喫煙を防止する為の法律(健康増進法第25条)を知らないのだろうか?
禁煙にすると、喫煙客が来なくなることを恐れているのだろう。
店内のどこかで誰かが吸えば、完全に仕切らない限り煙は店内に拡散する。
それを承知で席を分けただけの分煙とは、吸わない客を軽んじていることに等しい。
だから、本当に食事を味わってもらおうとする店は禁煙に徹している。
高級であっても分煙をしている店があり、大衆食堂ではあるが禁煙を徹底させている店もある。
「かつや」は、カツを安く食べさせる店だが禁煙だ。
そういう店を応援したくなる。
昼食には、社員を連れてよく食べに行く。
カツもうまいが、とん汁もおいしい。
弊社の店内は、15年前から禁煙である。喫煙客は寒い日でも外に出て吸っているが、だからといって頼まなくなることはない。
隣家の台所の換気扇から、タバコの煙が吹き出されてくる。
約6メートル離れたところに設けられている換気装置の吸い込み口から、臭いが入ってくることがある。
女房に嘆いたところ、彼女は言った。
「気にしなければいいんですよ」と。
「タバコ1本の煙には約40種類の発ガン物質が含まれているのだよ」
と言いかけて私は口をつぐんだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月29日(水)
大地震
大地震が来たらどう対処するか、思いついた折にシミュレーションをしている。
どのような状態の時に困惑してしまうかを想像するのだ。
高速道路を走行中とか、満員電車の中とかは運を天に任せるしかないので別として、肝心なのは家の中でのことだ。
例えば浴室でシャンプーの最中だったり、お腹がすいてどうにも我慢できないときなどである。
でも、困ることは何とか解決できるとして、危険なことは極力避けるようにしたい。
例えば、電気ポットが転倒して中のお湯が噴き出したり、IHの上で熱せられている物が飛ばされることなど。IHはガスコンロよりも滑り易いから危険であろう。
周りにゴミ箱などを置いてあったら、身をかわそうとして転倒しかねない。
となると、火事よりもやけどが心配だ。
その場合のシミュレーションが必要に思うのだが、女房は根っからの楽天家。
「とにかく、IHの周りのものを片しておいた方がいいよ」と忠告すると、
「そんなことまで心配していたら、とても生きてはいけないわ」と応える。
「では、シャンプーの最中だったらどうする?」
「浴槽の中に頭を突っ込んで洗い落とすわ」
「お腹がすいすいて、食べるものがなかったら?」
「水でも飲むわ」
「その水が出ないのだよ」
「我慢するしかないわね」
もう話しにならない。
でも、シミュレーションをしておくに越したことはない。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月28日(火)
美空ひばり
美空ひばりさんの番組を見た。
これまでに「悲しい酒」で何度泣かされたことだろう。
「佐渡情話」も好きだが、「哀愁波止場」もすばらしい。
ひばりの歌に心打たれるのは、ステージごとに、込める思いが新鮮であり、目一杯の誠実に溢れていることだ。誠実さは、並外れた苦労と、母への感謝と思いやりから培われているようだ。
だからCDで聞くのもいいが、やはりビデオが断然いい。
叶いっこないことなのだけれど、もしもライブが開かれるとしたら、チケット1枚100万円でも惜しくない。
せめて、「ひとすじの道」の歌詞である「歌い続けたい 命果てるまで」に習いたい。
私にとってのひとすじの道、それは家造りだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月27日(月)
100年もつ家を
明治39年に、Kさんが住んでいた家は建てられた。
ちょうど100年目に当たる昨年、4代目の戸主は建て替えを決断した。
Kさんは知り合いが紹介してくれた設計事務所に依頼したのだが、息子さんがある日〔「いい家」が欲しい。〕に巡り会い、父親であるKさんを誘って勉強会に参加された。
インド、ネパールが好きで毎年のように旅をしていたというKさんは、物事の急所を掴むことが素早い。
「そうだ。家造りで一番大切なことは住み心地なのだ」
そう納得してからは、すべてを私と息子夫婦に任せた。
しかしその前に念を押されたことがあった。
「松井さん、ご先祖様は100年もつ家を残してくださった。だから私も100年もつ家を子孫のために残したいのです。それだけが私からのお願いです」と。
下の写真は上棟の日のものであるが、右上の赤い屋根が母屋でその下が土蔵である。

昨年の暮れに完成し、明治、大正、昭和、平成に生まれた3世代の家族が引越された。母屋は今年の2月に解体し、土蔵は現在修復工事が行われている。
Kさんは解体するのを見るのはつら過ぎると言われていたが、一部始終を見守っていた。
そして終わってから笑顔で言われた。
「業者の人たちが、心を込めて丁寧に取り壊してくれたことがとてもうれしかった」と。
今日突然に訪問したのだが、玄関を入ると空気が実に気持ちよく感じられた。
(正面のニッチは、照明の工夫で冬は温もりを、夏は涼やかさを演出する)


Kさん夫妻が口々に、「生まれて初めて、暖かい暮しというものが、こんなにもすばらしいことなのか、今年の冬は毎日実感させられました」と言われた。
息子さんの奥さんはこんな話を聞かせてくれた。
「この家は、暖かさが身体に蓄えられるようです。毎年しもやけで悩んでいたのですが、今年の冬はならなかったのですよ。この家があまりにも快適なので、ついつい出不精になってしまいます」

二人のお孫さんはギターとピアノが大好きで、夜中でも練習できることを喜んでいるそうだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月26日(日)
基礎外断熱の落とし穴
基礎を外断熱にした家でシロアリの被害が目立っようになってきた。
断熱材が格好な侵入経路となるからだ。

下の写真は、蟻道を基礎の外側に構築した珍しいケースである。

光と風を嫌うシロアリにとって断熱材の内部に蟻道をつくることは、外側につくることに比べたら何十倍もたやすいはずだ。
しかし、基礎の周りを植木や草花、鉢物などで囲んであれば外側からも容易に侵入できる。


さらに、不用な木材を置いておくことはシロアリを招待するようなものだ。
家の周りを点検し、写真のような状態はなるべく早く改善することをお勧めしたい。

シロアリは13度以下では活動しないのだが、断熱材の内部に侵入すると居心地がよくなるらしく一年中活動してしまう。だから、内断熱の家よりも外断熱の家の方がはるかに被害が大きくなる場合がある。

的確なシロアリ対策なしに基礎外断熱をすべきではない。
言い換えれば、シロアリ対策を疎かにした基礎外断熱の家は、造り手は当然として、住人もこまめに点検し続けることが大切である。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月25日(土)
女性に好かれる家
「たまには完成写真を紹介してください。お客様の承諾を得ているのですから」
設計士さんたちからそのような申し出をよく受ける。
そこで岡部亜希さんが産休明け最初に担当したお客様で、昨日お引渡しを終えたA邸の写真をいくつかご紹介したい。(カーテンの取り付けは後日)
A様は、高齢な母親のために住み心地の良い家をと願っていた。
母の部屋を1階にすべきか、2階でもよいのか、プランは10通り以上が練られた。
33坪の敷地に建てられる家の広さは、33坪が限界。しかし望みは、50坪の広さにしても満たせないほどに大きかった。
家族4人がそれぞれ1部屋を確保すること。団欒を楽しむ一家なので、リビングを広くしたい。ピアノコーナーも設けたい。母の荷物を収納する納戸はもちろん、収納をできるだけ広く取って欲しい。階段を緩やかにして安全に上り下りができるようにしてもらいたい。
さんざん迷ったが、足腰が丈夫な間は上り下りすることがよい運動になるということで、母の部屋は2階に決まった。

玄関正面にクレダを設置した。この暖房機と左側15帖のリビングに設置してあるのと2台で、右側トイレ、脱衣室、浴室と反対側にあるキッチンを暖かくする。
つまり1階全体を24時間暖かく保つのだ。冷房は1台である。
カウンターが手すりを兼ねていることに注目されたい。

キッチンは、母のために座って作業ができるタイプにした。
右側には床下まで利用できる作り付けの収納量たっぷりのパントリーがある。
階段下なので天井の高さが取れない分、床下への階段を設けた。マツミの家の長所を存分に活かした設計である。


階段は16段で、下りる最初の1段目と中間に2ヶ所踊り場を用意した。万一、踏み外しても大怪我にならないようにと。

母の部屋は2階の北西の角。
西日を避けるために窓を小さくしたが、天窓からたっぷりと光が降り注ぐので北向きの部屋とは思えない。風抜けにも十分配慮してある。右側扉の内部は、仏壇入れ。その手前の右奥は納戸で、収納しやすいように工夫されている。

廊下はリモコンで開閉ができる天窓から明かりを採り入れている。トイレのドアの小窓には、設計士がデザインしたステンドグラスがはめ込まれている。

下の写真は壁の厚みを利用した飾り棚。収納の折戸の片方に鏡が埋め込まれている。

作り付け収納は引き出しを多用。左側の引き出しの奥行きは、80センチ。

小屋裏の天井高は1メートル40センチながら、約7坪の広さがある。
ソーラーサーキットの家は小屋裏がすばらしく快適だ。床下は清潔で、体感ハウスでは外気温がマイナス5度前後の日が続いても、17度を下回ったことがない。真夏は、25〜28度。小屋裏に設置してあるファンのスイッチを入れると、その冷気がインナーサーキット(内側通気層)を通して吸い上げられ小屋裏を快適にするのに役立つ。
真夏の暑い盛りに他の工法の家と比較していただきたい、

換気システムは第3種。これから建てる家には、機械による換気装置が法律で義務付けられている。
装置は小屋裏空間の点検し易い位置にセットされている。手前に見えるダクトは、夏に小屋裏を快適にするためのファンの排気に用いる。

カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月24日(金)
ソーラーサーキットの会員よ!
ソーラーサーキットで建てた中村さんの家が、大量のクレゾールに暴露されたのは2004年4月7日のことである。
あと14日で2年を迎える。
いかなる事情があったにしても、人間にとってわが家を失うということは筆舌に尽くせない悲しみ、苦しみである。
ましてや、新築したばかりの家なのだ。
「いい家」をつくる会のメンバーを除く、全国に約550いるというソーラーサーキットの会員よ、あなたたちはこのまま知らない振りをし続けるつもりなのか!
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月23日(木)
傲慢の極み
心の片隅をいつも占めている憂鬱なものがある。
クレゾール事件のことだ。
毎日、被害者であるご一家のことを思って手を合わせている。
一昨日、「家づくりの怖さ」について書いた。
高校の教師をしているという人からメールをいただいた。
その人は、「教師の仕事が大好きではあるのですが、怖くて仕方がありません」という。
教えることの未熟さが、いつも頭から離れないのだという。
プロたるものがなんたる弱音を吐くのかと叱る人もいるだろう。
しかし、私は仕事に怖さを感じる人を信頼する。
家を造る人、学問を教え、育てる人は傲慢であってはならない。
T建設のように、事件の解決が自分の思うとおりにならないからと、被害者を裁判に訴えてしまうとは、傲慢の極みである。
被害者一家が2年近くも不幸でいることを、いささかも怖れない造り手にソーラーサーキットの家づくりをさせるべきではない。
また、その事実に鈍感な造り手も同様である。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月22日(水)
犬自慢
成城学園のKa邸が完成し、無事お引渡しが終わった。
歩いて5分ほどのところに建築中のKi邸の前に立っていたら、グレーのプードルを抱っこした60前後の女性が声を掛けてきた。
「いい家ですね。私も毎日通るたびに見ているのですが、実に丁寧にしっかりと造られている家です。
最近の家は、組み立てられるとすぐに完成してしまう。
私は一昨年改築した家に住んでいますが、こういう家づくりを知っていたら建替えたかったです」
その人は、いかにも残念だという感情を込めて言った。
それを聞いて少なからずがっかりしたのだが、私の家には茶のプードルがいるので、話は犬のことになった。
プードルがいかに賢いか、言葉を理解し、しゃべること、叱ると冷たい目で見返すことなど、お互いに自慢し合いながら30分ほど立ち話をしていた。
目の前にある桜はまだ3分咲きぐらいだったが、心は花見をしたような気分になっていた。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月21日(火)
一番好きなこと
「一番好きなことは何か?」
と、問われたら私はためらわずに答える。
「家づくりです」と。
「それを何年間続けていますか?」
「30年近くになります」
「究めましたか?」
と尋ねられたら、
「いいえ。とても、とても」と答えざるを得ない。
「満点の家づくり」が一度たりともできていないからだ。
「住む人の幸せを願う」と言うことは易い。
しかし、それを実現し、継続したものにすることは簡単なことではない。
だから私は、家づくりが大好きなのだが、反面では怖いと思っている。
小心であり、臆病なのだ。
その心理状態から逃れるために、理論、理屈が役立つことは分かっている。
でも、そんなもので自分を正当化することはしたくない。
家づくりで一番大事なものは、住む人の幸せに対する感受性なのだ。
それが、年とともに研ぎ澄まされていくようでありたい。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月20日(月)
六本木ヒルズの光と影


用事があって、六本木ヒルズへ行った。
最初の写真は、太陽の光に燦然と輝くヒルズの象徴である森タワーと、けやき坂コンプレックスである。
次の写真は、展望台からの眺めである。
午後の3時半、タワーの影が黒く伸びていた。
先端からほんの少し先に、物議をかもし出したドンキホーテのジェットコースターが見える。
東京タワーの方角に目を転じると、右側の遠くにフジテレビの建物が見えた。
経済的に成功したとされる人たちが織り成す物欲の光と影とを、しばし眺めていた。
ふと気づくと、影の先端の左側には墓地があった。
カフェでコーヒーを飲んだ。
どこからともなく、耳を捉える音が聞こえてきた。
その音源を捜すと、バング・アンド・オルフセンのあのスピーカーを発見した。
写真のように、実にユニークなスタイルをしている。
名機とされるオーディオ機器は、大概が好い相をしているものだが、そのようなイメージからは想像もできないスタイルをしている。
でも音はすばらしい。
たまたま流れていた曲が女性ボーカルで、その声音がしっとりとしていて色気にあふれていた。
歌手はAnthea。

地上に降りて、鉄骨造にガラスの外装を施したコンプレックスに興味を惹かれて眺めていると映画のポスターが目に止まった。
「ステップ!ステップ!ステップ!」
今から10年ほど前にニューヨーク市が、小学校の児童育成プログラムとして社交ダンスを取り入れた。子供たちは、ともすれば不良になり易い境遇ではあっても、教師と共にステップを踏むことによって、明るく成長していく姿を描いた映画である。
先生が子供たちに言う。
「人生で成功するには自分が好きなことを見つけろ。そしてそれを極めろ」と。
六本木ヒルズの展望台からの眺めには、経済的な成功の光と影が目立った。経済的な成功者であっても、人生の失敗者は多い。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月19日(日)
やりがいのあることだ!
今日の勉強会には、12組22人のお客様が参加された。
愛知県から来られたMさんは、「あらゆる住宅本を読んだが、松井さんの本が一番心に残った。勉強会に参加して決心が固まりました」と言われた。
Kさんは、「松井さんの本は厄除けになります。この本を持って住宅展示場に行くと、営業マンが嫌な顔をしますよ。追いかけてこなくなります」
もう一人のKさん夫妻は、昨年の秋に勉強会に参加した母親から、あなたたちも参加してきなさい、と何回も言われたのでやってきました、とのことだった。
そのように家族の誰かが参加して、他の人に勧めるケースが多い。
Iさんは、息子さん夫婦との二世帯住宅を計画されていて、すでに体感済みである。その後家族で家づくりについて話し合うと、5才になるお孫さんが「マツミさんがいいなー」と言うのだそうだ。
Nさん夫妻は4回目の参加で、終わってから「マツミさんにお願いすることにします」と言われた。
家づくりの真実を知らない、知らされないでいる人たちのために勉強会を開いているのだが、皆さんが実に熱心に話を聞いてくださる。
やりがいのあることだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月18日(土)
二つの契約
今日は、二人のお客様からご契約をいただいた。
いずれの方も、私と久保田さんの本を読まれている。
Tさんが勉強会に参加されたのは4年前。
「その後ずいぶんと勉強しました。
その結果、マツミの家に住むことを決心しました」
そう話されるご夫妻の表情は実にさわやかであった。
Yさんは、なかなか思うような土地が見つからず、建売でも仕方がないと諦めかけていた。
しかし、久保田さんの本を読んで、どうしてもマツミの家を建てると決心を固めていた奥さんの気持ちは、いささかも揺らがなかったそうである。
「土地が決まっていないのに、建築の依頼先はしっかりと決まっていたのです」
と、ご主人が笑いながら話された。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月17日(金)
双子の兄弟姉妹の家

(右から久保田さん、Kさん、私、設計士の大畠)
1月19日「思ったこと、感じたこと」に紹介したKさんと契約ができた。
その後、Kさんの夢はふくらんで、プランはどんどん大きくなっていった。
ある日、今年大学を卒業する次男に質問されたそうだ。
「お父さん、お母さんと二人で住むというのにいくつ部屋をつくるの?」
そして夢から覚めた。
「そうだ、子供たちのことは考慮に入れないで、老後二人で楽しく健康で暮らせる家を建てよう」と。
そう思ってみたら、横浜体感ハウスがそのとおりのコンセプトで建てられていることに気づかされ、再度体感に。
「この家は、間取りも、インテリアも、空気も自分たち夫婦にぴったり。
この家の住み心地こそが我々が望み続けていたものだ」
Kさんは、息子たちも連れてきて体感させた。
息子たちは、「二人が納得できる家を建てることが一番いい」と答えたそうだ。
そこで、横浜体感ハウスと双子の姉妹の家が年内には完成することになった。
一方、東京の小平にある体感ハウスとそっくり同じ家が、三重県に建てられている。
「いい家」をつくる会のマルカの近藤社長が、同じ住み心地を地元の人たちにも体感してもらいたいとして建築した。
家具もそっくり同じである。
そちらは双子の兄弟の家だ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月16日(木)
雨は一滴も
お引渡しは、無事済んだ。
玄関ドアを開けたときに、光の当たり具合によってなのだが、よく見ると気づくわずかな凹みを発見した。
そこでお客様に申告した。
「そんな程度のことは一切気にしません。生活が始まればすぐにそれ以上の傷をつけるかもしれませんからね」
洗面所に入った。そこで篠田監督が申告した。
「昨夜洗面所の壁に傷をつけてしまいしまた。補修工事がお引渡しに間に合いませんでした」
「その程度は気になりませんよ。子供がいますし、すぐに汚してしまうでしょうから」
お引渡しが終わってから、お客様から言われた。
「唯一残念に感じたことは、引渡しがぎりぎりになり過ぎたことです。スタートが遅れたことは止むを得なかったことですが、途中で工期を短縮することは十分できたはずですからね」
お客様は、ゼネコンの現場監督の長を務めている人だ。
「おっしゃるとおりです」
みんなで、素直に頭を下げた。

今夜は、春の低気圧が通過するとのこと。
近くの現場では、大工さんが雨対策をしながら言っていた。
「外断熱はいいですよ。この段階で窓さえ守れば、雨は一滴も家の中に入らなくて済むから」と。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月15日(水)
引渡し前夜
夕方、明日引渡しの現場へ行った。
現場監督の篠田の目が血走っている。
「どうだ。間に合いそうか?」
「はい。今夜中に水道の接続を終えて完了です」
応援に入っている3人の監督たちがてきぱきと動き回っている。
この現場は、敷地に絡む問題があって35日ほどスタートが遅れてしまったのだが、引渡しは予定の期日に行わなければならない。
そのような場合、監督は一番頭を悩ませることになる。
大工さんが協力し、15日間ほど工程を短縮することに成功した。
工期を短縮することはリスクを伴うことだ。
手が荒れ、手が省かれ易くなるからだ。
マツミの職人にはそれらの心配はないのだが、段取りに工夫が必要になる。
監督の腕の見せ所である。
10日前に見た限りでは、無理があるかなと心配だった。
そのとき篠田は、
「必ずやり遂げます」とだけ答えた。
「あれがこうなって、これがああなれば間に合うと思います」と言うような答え方をする場合には信頼できない。
それにしても無理ではないのか、かなり心配だった。
しかし、3日前に行くと、一番の難所と思えた追加工事が見事に終わっていた。
監督の指揮に従って、大工さん、職人さんたちが的確に仕事をしたことがよく分かった。
ところがである。
夜9時過ぎに電話した。
「どうかな?」
「あと2時間ほどで水道工事が終わります。私は用事がありますのでいったん現場を出て会社に帰りますが、すぐに引き返して最終チェックをします」
そう言われると「ご苦労さん、気をつけてな!」とは言えなくなってしまう。
「なぜなのか?」
という疑問が湧き上がる。
なぜ、水道工事がぎりぎりの今日になったのか?
なぜ、いったん会社へ帰るのか?
こうなったら、寝るわけにはいかない。
何時になってもいいから、報告をよこすように先ほど伝えた。
今、23時54分。まだ報告がない。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月14日(火)
社員の皆さんへ
社員の皆さんへ
今日は、お客様の家へお詫びに行った。
担当した現場監督に、お客様の心を感じ取る力が不足していたことについてである。
私は、一生懸命を評価しない。
的外れであったり、自分勝手な一生懸命よりも、的確な当り前の方がはるかにいいからだ。
どんなに些細なことであっても、お客様に嫌な気持ちや、不安や、苛立ちを与えたとしたら、それは全て私が悪い。
きっと、我慢されているお客様がいらっしゃると思う。
ご契約に際して、私は携帯電話の番号をお知らせし、そのようなときにはお気軽に電話をしてください、と申し添えている。
しかしお客様は、社長に直訴したのでは担当者に気の毒だと思いやったり、遠慮をしてしまうことが多いのではなかろうか。
お客様の心に対する感受性と想像力を、もっと、もっと磨いて、1本の電話をタイムリーにかけることの大切さをぜひとも習慣化して欲しいのだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月13日(月)
いい家は・・・
「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」とする主張がある。
しかし、材料だけでは「いい家」は造れない。
断熱の方法を問うべきである。
次世代省エネ基準にどのように適合しているのか、気密のレベル、換気の方法も問うべきである。
「建ててしまった人は、読まないでください。ショックを受けますから」にならないように。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月12日(日)
まもなくシロアリ発生!

あと40日前後で、羽アリが飛び出す季節がやってくる。
雨上がりの暖かな日の11時前後に、ゾッとする光景が見られる家がある。
その数は、年々増え続けているようだ。
今からでも遅くない。家の周りを見回ることが大事である。
写真のようにしておくことは、シロアリを招き易いので注意することが必要だ。

カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月11日(土)
カレーライス

1月14日に地鎮祭のことを書いたN邸の上棟が無事終わった。
Nさんは、こんな挨拶をされた。
「私は、仕事柄ずっと現場を歩いてきています。
イラクではロケット弾が1キロ近くに落ちたこともありました。
現場は、人の動きを見ると良し悪しがすぐに分かるものです。
今日の上棟は朝からずーっと見させてもらっていましたが、皆さんの仕事の手際のよさには驚かされました。一日で屋根の下地まで出来るとは想像もしていませんでした。
誰一人として無駄な動きをしない、手を休める人がいない、実に段取りがよく、指揮が見事なほどにしっかりと行われていることに感心させられました。
本当に感動した一日です。みなさんありがとうございます」
昨年のブリュセルへの旅ではNさんに大変お世話になり、現地ではNさんの知人であるSさんに実に親切にしていただいた。
ご縁のありがたさを痛感する。
今日は地鎮祭が二箇所であった。
道路が大渋滞していたので、自由が丘の現場には電車を利用した。
昼食を食べる時間がなく、お腹をすかしてヒロ通りを歩いていくとカレーの専門店の看板が目に入った。
手っ取り早く食べられていいか、そう思って地下にある店に入った。
ドアを開けると、中は洞窟のようになっていた。
カウンター席の後ろを通って奥に行くのだが、円形の天井が低すぎるので首を傾けながら歩くことになっている。
テーブルについて観察すると、狭い店内の天井を洞窟のようにすることで、不思議な居心地のよさが演出されていることに気づいた。狭い空間は、できるだけ天井の高さを取ろうとするものだが、その店の設計は逆であった。
トイレの天井も低いのだが、腰壁のタイルの色を深みのある濃茶にし、普通には床から90センチぐらいの高さに貼り上げるところを、50センチ程度に抑えてある。そして洗面台の高さも低くしてあるので、天井の低さを意識させない巧みな工夫なのである。
やがて出された野菜カレーが、実にうまかった。
出てくるまでにカレーとは思えないほどに時間がかかったが、一口一口に「あなたのためにつくりましたよ」と納得させられる味が込められていた。
「カレーライスにさえ、あれだけの心が込められているのだ。私は家造りにどれほどの心を込めているだろうか?」
そう反省しつつ、上棟の現場へと急いだ。
ちなみに、その店の名前は「Ziji Celano」といった。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月10日(金)
33年の付き合い
棟梁である杉江さんとの付き合いは33年になる。
辛苦を共にしてきた仲間の一人だ。
これまでにたくさんの家を造ってきただけではなく、これはよさそうだと思える工法を知ると、全国どこへでも一緒に見学に出かける。
棟梁は寡黙であるが、的確な眼力を持っている。
設計図に描かれていない部位で、迷うところは常に私が望むように納めてくれる。
そうすることが、お客様に喜ばれることをよく分かっているからだ。
尊敬する点はいろいろあるが、他人と子供を二人ずつ、腕のいい大工に育て上げた点は立派だ。
杉江棟梁の仕事振りは、久保田さんの本に紹介されている。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月09日(木)
ホワイトウッドは怖い!

小冊子「食品と暮らしの安全」2006年2月号の裏表紙である。
立っている角材は、左から国産ヒノキ、国産杉、ベイツガ、ホワイトウッド。
ホワイトウッドは1年目でシロアリに喰われ、4年目に朽ち果てたと説明がある。
ホワイトウッド(正式名はオウシュウトウヒ。スプルースと表示されることもある)は、腐りやすく、シロアリに弱いとされている。それが集成材となって大量に出回っている。
見た目が白くてきれいで、柔らかくて加工がし易く、しかも値段が安いために建売はもちろん、ハウスメーカーでさえも構造材として使っている。
すでにその数100万戸を超えているという。
接着剤は「使用環境2」が多い。
1に比べると接着力が弱いので、濡れたり、湿気のあるところで使うのは好ましくないとされるものだ。
これからの時代は、風圧を伴った豪雨に見舞われる機会が増大することを想定しておかなければならない。そして24時間の換気システムが義務付けられている。
そうなると、構造体の内部に雨水や湿気を呼び込み易くなる。
だからそれらに弱いホワイウッドとグラスウールなどの断熱材を組み合わせた家の耐用年数は、20年あるかどうかと危惧する声が多い。
構造が腐り、シロアリに喰われたら、地震で倒壊する危険が増大する。
それらを現場で見かけたら、住む人の幸せを考えない造り手であると認識することだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月08日(水)
欠陥住宅
欠陥住宅に関する争いで、被害者が一番苦しむのは精神的ストレスだ。
その原因のほとんどは、加害者の人格のなさによる。
住む人の幸せを願う人格が欠落しているから欠陥住宅を造るのだ。
そしてやりきれないことは、人格のない相手とでは話し合いによる解決ができないことだ。
新築したばかりのソーラーサーキットの家にクレゾールを大量に噴霧し、その結果住めない家にしてしまった建設会社がある。
その会社は、被害者を相手に裁判を起こしている。
ぜひii-ie.comのコラムを読んでいただきたい。
そんな会社に、私が最善とするソーラーサーキットの家造りを、カネカがさせていることが残念でならない。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月07日(火)
木造・外断熱のアパート

(道路の反対側に、もう1棟同じ木造・外断熱のアパートが建っている)
久保田さんからメールが入った。
「4日に並木さんのアパートを見学しましたが、マツミハウジングの底力を見せつけられる思いがしました。
どう見ても木造には見えず、鉄筋コンクリート造りとしか思えないほどにどっしりした感じでした。
当日、並木さんの奥様が空いていた部屋を案内してくださったのですが、玄関ドアを開けて中に入った瞬間に私はすごく驚かされました。
建てて7年が経過したアパートの部屋には、あるはずがない新鮮な空気を吸ったからです。
カビの臭いや生活臭をまったく感じませんでした。
お客様3人も素足だったのですが、女性が4人共に素足であることをしばらくの間気がつきませんでした。1階の部屋で、住人が引越してから10日ほどが経っているといのに、床が冷たく感じなかったのです。
24時間の換気システムが作動しているからでしょうが、それにしてもソーラーサーキットの家と変わらない空気と住み心地の良さをアパートに付加したオーナーさんとマツミハウジングに畏敬の念を覚えました。
お客様の娘さんが、こんな部屋に住みたいと言われたのを聞いて並木さんがこんな話を聞かせてくださいました。
娘が結婚して同居したいというのでマツミさんに増改築してもらいました。ところが下の娘がこのアパートに住んでいまして、姉にこっちに住んだ方がいいわよと勧めたのです。住み心地がまるで違うと。それで姉の夫婦も住むことになったのです。娘たちはちょくちょく家の方に食事に来るのですが、食べ終わると直ぐに帰ってしまうのですよ。この家は寒くてたまらないからと。
84才のお客様はお孫さんに向かって、アパートを建て替えたらあなたもそうなりそうね、と言われたのでみんなが大笑いしました。
私も今度建てる機会がありましたら、外断熱のマツミのアパートにしますので、その折はよろしくお願いいたします」

カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月06日(月)
鳶職人
O邸の上棟が無事に終わった。
昼頃から風が強まってきたので現場監督の伊藤に電話を入れた。
「風の影響は心配ないか?」
「鳶(とび)の松井さんは、このくらいの風なら大丈夫と言ってます」
それでも心配で、現場に2時半に行ってみた。
この写真は、鳶の松井さんが指図しているところである。
今から12年前に、彼は両親にマツミの家を勧めてくれた。
日ごろ基礎工事に携わっていて、いろいろな注文を受ける中でマツミが一番強固な基礎を求め、そして監理が厳しいことを評価してくれたのだ。
両親は共に教師で、彼は大学を卒業してからアルバイトをしていた前田工業という土木会社に就職して鳶職人となった。
私と前田工業の親方である前田さんとは、30年以上の付き合いである。
「いい家」を造るにはどうしたらよいのか、基礎を含めた構造の部分の工事の方法、予算組み、工期について今もお互いに意見交換を欠かさず研鑽に務めている。
私は4人だが親方は6人の子持ちで、長女をはじめ子供たちは率先して家業を手伝っている。
親方の下には、腕が良い職人が数揃っている。とにかく動きがすばらしい。
美しいとさえいえる。それを見ていると、まるで一流の役者が演ずる舞台を見ているような感動を覚える。
実にかっこいいのだ。
2時半の時点で、すでに棟木が上がっていた。
他社の現場を見ていると、そのような速さで棟上げしているところは見当たらない。
二日や三日がかりになる現場もよく見かける。
夕方の5時には、野地板を全て張り終わった。
(右から私、久保田さん、奥さん、ご主人さん、松木設計士、伊藤監督 )
Oさんは30才、奥さんは20代である。
奥さんが最初に久保田紀子さんの本を読んだ。
それから私の本を読み、ご主人と親を説得したとのこと。
大手ハウスメーカーのA社に決めようとしていたが、家はデザインやインテリアで選ぶものではない、住み心地が一番大事なことを知ってから迷わずマツミに決めたそうだ。
二冊の本は、20代から80代の人にまで支持されている。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月05日(日)
伸びきったそば
勉強会に8組のお客様が参加された。
Oさんご夫妻の話である。
「お二人の本を読んで、気づかされたことがあります。
家を建替えようと決心した最初の頃は気づいていたと思うのですが、住宅展示場を見歩いている内に、すっかり忘れてしまったようです。
それは、住み心地の大切さです。
松井さんの本の序章に、“誰も教えてくれなかった”と書かれていますが、本当にそのとおりです」
Sさんご夫妻。ご主人が話された。
「私は、伸びきったそばと言われています。いつまで経っても決断しないからです。もう5年近く住宅展示場めぐりをしてきています。でも、ようやっと決断することができそうです」
Aさん。
「3年前に突然主人を亡くしたのですが、それからは一段と寒さが身にこたえるようになりました。今年の冬は格別に寒く感じます。ふとしたきっかけで本に巡り会い、一気に読みました。
勉強会に参加して、どうしてもマツミの家に住みたくなりました」
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月04日(土)
赤面の日
朝、Hさんから電話をいただいた。
「これから残金の支払いをするために銀行に行くのだが、登記に必要な書類が届いていない。
担当に問い合わせたら昨日宅急便で送ったとのこと。それでは間に合わない。そうするのだったら、事前にその旨電話してくれたらよかった。
残工事のときにも予定していた日にやってもらえなく、電話連絡もなかった。
マツミを信頼していたのに実に残念だ」
おおよそそのような内容だった。
一本の電話を怠る、忘れる、横着する。
それはお客様に対する心配りがないからだ。
お客様の立場になれないからだ。
お客様を苛立たせ、心配させることは甘えなのだ。
プロとしての自覚に欠ける。
マツミの信条に反することだ。
10時からY邸の地鎮祭が行われた。
祝詞奏上の間、私の心は沈み放しだった。
そして玉串奉奠のときに「絶対にお客様を不安にしたり、苛立たせるようなことは致しません」と誓った。
午後、久保田さんが「84才からのアパートづくり」の方を、7年前にマツミで造った木造3階建て外断熱仕様のアパートへ案内した。
その方は、息子さんの嫁と大学生の孫娘を伴って来られた。
私は体感ハウスでお会いした。
マツミのアパート造りについて一通り説明した後で私は言った。
「このようにいいこと尽くしのことを言いましたが、施工が悪かったら何にもならなくなってしまいます。私には85点程度のことしかできません。これから5年を掛けて満点をとれるように挑戦するつもりです」と。
すると、84才の女性からピシャリと言われてしまった。
「松井さん、100才まで挑戦なさることです」
そのとおりだ。5年程度で満点が取れるわけがない。
いや、それは永久に掲げ続けるべきテーマなのだ。
何と恥ずかしい!
そう反省した瞬間に、
「松井さんは私よりもずーっとお若いでしょ?」と質問された。
「ハイ、20年もです」
私は、4人の女性に囲まれてすっかり上がってしまったようだった。
久保田さんがすかさず訂正してくれた。
「いいえ、もっと年を取っていますよ」と。
お客様が帰られてから久保田さんにからかわれた。
「松井さん、年を間違えたとき、少年のように頬が赤くなりましたよ」
夕方、A様との契約が成立した。
1年半近くかかったのだが、途中何度か諦めかけた。
それを見透かしていたかのようにAさんは言われた。
「担当の中沢さんは、途中何度も難しくて嫌な客だと思われたことでしょう。しかし、粘り強くよく付き合ってくれました。私は体感ハウスでの勉強会に参加して、終わってからの個別相談を専務に受けてもらい、帰るときにはマツミさんに依頼することを決心していたのですよ。
そして、その後何回も打ち合わせを続けている最中に、私は社員さんたちの態度を観察していました。しかし、誰一人として私を心配させたり、不安に思わせる人はいませんでした。
もし、一人でもいたら私は契約には至らなかったと思っています」
まるで今朝のことを知られていたかのようなその言葉に、私は再度顔が赤くなるのを覚えた。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月03日(金)
日本一の体感ハウス
都内に出る用事があって体感ハウスにタクシーを呼んだ。
約束の時間に遅れそうなので気があせっていた。
予想した時間を10分も過ぎている。
タクシー会社に催促すると、「今運転士から連絡があって、近くで迷っているそうです」と言う。
その時、50メートル先の十字路をタクシーがスピードを上げて横切った。
「あれだ!私は十字路に立ちますから、久保田さんは反対側に回ってください」
二人は駆け出した。
「来ましたよ〜!」
久保田さんの叫び声が聞こえてきた。
「すみません。私はまだ入社したばかりなものですから」と運転士はすまなそうに言った。
「いや、仕方がないですよ。お客様が案内図を見ながら来てもほとんどの人が迷子になるのですからね」と、私は慰めた。
すかさず久保田さんが同意して、
「私は最初来たときに、なんて辺鄙なところにあるのだろうかと感心しました。
そう思われるお客様は多いのではないでしょうか?」
「そうそう、こんなことがありました。
杉並の一等地に建てる予定のお客様が訪ねてこられたのですが、道に迷われてしまい約束の時間をだいぶ過ぎても到着できませんでした。
社員が携帯電話で連絡を取り合いながら探しに出たのですが、お互いに焦ってしまって、15分間ほど鬼ごっこのようになってしまったのです」
「15分は長いですね」
運転士が口を挟んだ。
「そのとおりです。お客様はさぞかしうんざりしたのでしょうね。
“また来ます”と言って去って行ってしまわれた」
「そうなったら、私もきっと諦めますよ。でもそれは残念でしたでしょう」と久保田さんが同情してくれた。
「ええ、ええ、お互いに後味が悪かったですよ。
ところで運転士さん。
さっき十字路をすごいスピードで走っていったけど、あそこは危ないところでね、よく事故が起きるのですよ。隣の大学生は、買ったばかりの新車で出かけようとして、あの十字路で出会い頭に衝突し、一瞬にして廃車にしてしまったそうですから」
「松井さん、もうそろそろもっと安全で分り易いところに建て替えられたらどうですか?」
久保田さんがそう言うと、50年配の運転士がつられるように言った。
「そうですねー。あの場所は本当に分りにくいですから」
開き直って、体感ハウスとしては日本一辺鄙なところにあることを自慢してきたのだが、お客様が事故に遭わない内に建て替えるべきなのかもしれないと思った。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年03月02日(木)
いくつになっても
いくつになっても、ほめられることはうれしいものだ。
こんなメールをいただいた。
困っている人を助けるのは当たり前のことだが、「丁寧なお仕事振りにため息がでました」とのお言葉はうれしかった。
御社での打ち合わせの後、ちょうどその日は構造見学会をされていると伺ったので、足を運びました。丁寧なお仕事振りにため息がでましたが、それ以上に記憶に残っていることがあります。雨が降っていたので、前の空き地の土が結構ぬかるんでいました。帰る時、車をユーターンさせようと注意しながらその空き地に入ったのはいいのですが、タイヤが空転してしまい動けなくなってしまいました。あれこれやっているうちに、中から飛んできてくれた人がいたのです。口数のすくなかった水色っぽい作業服を着た方です。駆けつけてくれるやいなや雨の降る中、懸命に車を押してくれました。出られました。急いでいたのでその方のお名前も聞かずに、またちゃんとお礼も言えずにおりましたが、今でもわたくしの中ではすがすがしさが残っています。そうゆう方がお造りになられるのであれば安心してまかせられそうな気がいたします。
カテゴリー: 投稿者 :松井









