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2006年07月31日(月)

見習い大工たちのおしゃれ

大工さんたちと納涼食事会をした。
社員を交えて65人ほどが集まったのだが、今日もまた心底思った。
「いい大工さんたちに恵まれている!」と。
見習い組がお酌にきた。
1年目の寺神の頭はサッカーの中田をまねした感じで、2年目の林も茶髪に変わっていた。4年目の宇都の髪は黒でロナウジーニョのようだ。そして、黒い石のイヤリングを左側にだけつけている。それは、いい友と結ばれる力を秘めているそうだ。そのおかげで、1年先輩の吉岡に巡り会えたことがきっかけでマツミに入社したという。右側につけていたのはお金に恵まれるという石だったが、無くしてしまったのだそうだ。
「親方に一人前と認められれば稼げるようになれるから、無くしてよかったのです」と屈託がない。
彼らは一様に「仕事が好きだ」と明言する。仕事ぶりを見ていると言葉通りである。背中がいつも「早く一人前になろう!」と語っている。
彼らの髪型について、批判の声がある。
でも私は、容認している。なぜなら、魅力的であろうとする自己表現だと思うからだ。昨年の大晦日の「思ったこと、感じたこと」に「大工さんたちとの忘年会」を書いた。そこで紹介した伊藤棟梁は、16年前に入社したときに茶髪だった。
あのとき茶髪を拒否していたら、一人の立派な棟梁を失ってしまったと思う。容姿は気になる。しかし、私は思うのだ。やる気があって、マナーがしっかりしていて、住む人の幸せを心から願えるのであれば、ほどほどのおしゃれはいいことだと。
みんな、ケガしないようにな!
感謝しているよ!

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2006年07月30日(日)

仕事冥利に尽きる

「松井さん、私が誰だか分かりますか?」
電話の向こうで、少ししわがれてはいるが力のこもった女性の声がした。語尾に独特な力がこもるその声には聞き覚えがあった。
「Yさんですね」
「そうですよ。6年前にお会いしました。
松井さん、いよいよ約束が果たせそうですよ。あなたに家を建ててもらうという」
夕方、Yさんが知り合いの不動産業者と連れ立って事務所に現れた。
「あれからずーっとこの人に土地をさがしてもらっていたのです。とうとう見つかりましたよ。ここから歩いて行けるところですよ」
「東南の角地で申し分ない立地です」
業者が誇らしげに言葉を継いだ。
 
6年前にYさんは、私の本を読んでやって来られた。
買ってあった土地に娘夫婦のために家を建てて欲しいと。だが、その土地の交通アクセスが娘さんのご主人の勤め先には適していなかったので取り止めになった。
そのときYさんはこんなことを話された。
「松井さん、あなたの本とあなたという人には誠があります。
私は主人の仕事柄から、いろいろな人を見てきました。しだいに人を見る眼が養われ、私の見立てが主人の仕事に役立つようになりました。
松井さん、あなたはこれからどんどんいい人たちに出会います。それはあなたが誠心誠意を込めて本を書いたからです」
 
つくづく仕事冥利に尽きると思った。
握手したYさんの手のひらは、柔らかく、あたたかく、まるで心そのもののような感じがした。

カテゴリー: 投稿者 :松井

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2006年07月28日(金)

学べば学ぶほどに

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(講演する佐藤吉宏さん。最前列にいるのが弊社専務)
NPO法人日本住宅基礎工事業協会の理事長である佐藤吉宏さんを招いて、「住む人の生命と財産を守る住宅」というテーマで勉強会を行った。
阪神淡路大震災、新潟中越地震で学んだことはたくさんある。しかし、それが活かされていない家造りが今も多数あるとのこと。
一般の木造住宅には構造計算が義務づけられていないが、やってみると姉歯設計士と同等か、それ以下のも少なくないという。
しかし、品確法の最高レベルをクリアーしているからといって安心はできない。地盤が弱いからといって、支持層まで鋼管杭を打ち込んだためにダメージを大きくしてしまう場合もある。
耐震性を高めたがために住む人を危険にさらすこともある。
かといって免震が万能ではない。制震もまた然り。
これから注目すべきは「減震」。直下型地震、不同沈下、軟弱地盤対策に最適だそうだ。
構造の権威と自他共に認める佐藤さんが、経験を積めば積むほど、学べば学ぶほどに家造りが怖くなるという。
その謙虚さに頭が下がる。
 
<新入社員のGより>
本日は構造計算セミナーに参加させて頂きました。
佐藤先生が新潟中越地震や阪神淡路大震災からいろいろなことを学ばれ、耐震技術の向上につなげていらっしゃるご苦労に感動しました。また、構造計算においては横揺れに関しては計算をするのだけれど、縦揺れに関しては今現在でも計算式が無いという話はとても興味深く聞くことが出来ました。
竣工してから10年経って訴えられて敗訴することもあるという話を伺って、改めて自分はお客様の一時的な幸、不幸を担う仕事をしているのではなく、その後の一生の幸、不幸を担った仕事をしているのだということを改めて感じました。
住まいとは幸せの器である、というマツミの信条を肝に銘じて明日からも仕事をしていこうと思います。

<新入社員のSより>
基礎構造講習は、非常に興味深い内容でした。
設計に携わるには、意匠のみ、構造のみではなく、総合的な知識が要求される時代になるように思います。私が以前勤めていた事務所では構造計算の担当者がいたのですが、「意匠の人は構造を知らなすぎる」とよく嘆いていたのを思い出しました。今日の講習で構造計算部分は、理解できない部分もありましたが、苦手意識を持たずに構造計算も勉強したいと思いました。

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2006年07月27日(木)

なぜ、家を台無しにするのか?

P8152429.jpg
ようやく豪雨のニュースがなくなった。
しかし被害を受けた人たちの苦しみはなくなるどころか増え続けていることだろう。
心からお見舞いを申し上げたい。
ところで、豪雨による被害が発生するたびに思うことがある。それは、綿状の断熱材で家をくるむことの是非についてだ。
6月25日発行の日本住宅新聞は、「雨漏りから家全体が台無しに 高断熱高気密の家が危ない」というタイトルで財団法人住宅保証機構の見解を掲載した。
綿状断熱材を用いる高断熱高気密の家は、いったん雨漏りが起きると被害が大きくなる特質を有していることはつとに知られていることだ。
写真を見てもお分かりのように、特にツーバイフォーのように壁に合板を張り付ける工法は要注意だ。
もうそろそろ、その危険性について国が警告を発してもよいのではなかろうか。
学者や評論家がよく用いるのだが、「施工さえしっかりやれば安全だ」という意見ほど危ないものはない。
「記録的な集中豪雨」に見舞われる機会は今後ますます増えることが予想されるというのに、なぜ、あえて家を台無しにする断熱方法を選ぶのか!

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2006年07月26日(水)

大丈夫か?

K邸の地鎮祭が終わった11時には、気温が30度を超えていた。
S邸の上棟現場が気がかりだった。
監督に電話する。
「しつかりとみんなの動きを観察していろよ。少しでもおかしく感じたら、すぐに下ろして休ませるんだぞ」
毎年、梅雨明け前後の上棟には細心の注意を払う。
熱中症が怖いからだ。
 
無事、棟上げが終わってみんなが下りてきた。
一人一人の体調を見分ける。鳶の一人と、大工一人が元気ない。
「大丈夫か?」
お客様に気づかれないように声を掛けた。
そのような場合、彼らは「大丈夫です!」としか答えないことは分かっているのだが。
「ありがとう!ありがとう!」
ケガもなく、事故もなく、よくぞがんばってくれた。
上棟が終わると、毎回心底そう思う瞬間が訪れて胸が熱くなる。

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2006年07月25日(火)

正直に造る

今日は久しぶりに上棟日和に恵まれた。
式に参加されたTさんの両親から言われた。
「松井さんの本の説得力って、すごいんですね。
息子と嫁が、松井さんの本に惚れ込みましてね。予算が無理なのに、どうしても建てたいというのです。それまでは大手ハウスメーカーの住宅展示場巡りをしていまして、ほとんど決めかけていたところがあったんですよ。
こうして上棟してみると、いや、基礎工事をしているときも近所の人たちがあまりの頑丈さにびっくりされていましたが、息子夫婦がそうまでこだわったわけを納得しましたよ。
どうか“いい家”をつくってやってください」と。
帰りながら振り向くと、高台に建つT邸はしっかりと、美しく輝いていた。
正直に造ることほど、心やすまることはない。
 
監督見習いの朝倉からメールが入った。
「今日の上棟では久しぶりにライトアップされたマツミの家を見ることができました。
これまでにも何回か見たことはありましたが、今回もマツミの家に目が釘付けになっている自分がいました。TIPのパネルからもれる光、照明に照らされた木々はとても感動的でした。いつまで見てても飽きなかったです。こんな素晴しい家造りに携われて私はとても幸せです」

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2006年07月23日(日)

チャールズ皇太子

IMG_4946.jpg
チャールズ皇太子が書かれた「A VISION OF BRITAIN」は、1991年に出口保夫訳で東京書籍から出版された。
私の建築に対する考え方、感受性は、この本によって大いに刺激を受けている。
1990年、パリ近郊のポワシーに建てられているル・コルビュジエの代表作と言われているサヴォア邸を見学したのだが、そのとき私は、このようなコンクリート住宅は絶対に建てたくないと思った。
あまりにも味気なく、冷たく、乾燥して見えた。
その折に、ポンピドーセンターも見学した。レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの共同作品だ。
30分ほど眺めていたのだが、この奇抜さだけが取り柄のような建物には二度はお目にかかりたくないと思った。
その後、ロンドンでロジャースの作品に遭遇することがあった。ロイズ保険会社のビルだ。そのときも同じ感想を抱いた。
チャールズ皇太子は、それらの建物を「醜悪な怪物」と決めつける。著書は、美しいイギリスの風景を大切にしたいと願う市民感覚で書かれており、随所に書き留めておきたくなるような含蓄に富んだ文明批評が展開されている。
皇太子という立場からの発言だから、ということではなく、建築に関心を持つ同士として尊敬して止まない。

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2006年07月22日(土)

最善を尽くしているか?

9時からS邸の引渡しがあった。
おめでたい時に、どうかと思ったが担当の設計士と監督を叱った。
お客様に、外回りの工事の遅れを雨のせいにして言い訳したからだ。
梅雨時なのだから、雨は理由にならない。
お客様のお許しがあってのことではあっても、約束の日には全ての工事が完了しているのは当り前のことだ。
その努力に最善が尽くされていない。
 
11時からY邸の地鎮祭が行われた。
このところの雨で、解体直後の敷地はぬかるんで水が溜まっていた。
しかし、テントの中は砂が敷かれ見事なまでに整地されていた。
監督の小林、黒柳、朝倉の3人の努力に感謝した。
朝倉は、監督見習い中である。高校時代サッカーの選手であったというだけに気働きが良く、動きもシャープで3年後が楽しみだ。
その朝倉の昨夜のメールである。
 
「このところ雨の日が多く、現場が影響を受けているようで心配です。
今日は上棟間もない現場を3箇所見て回ったのですが、どこも家を包み込むようにていねいにシートで覆われています。
雨から家を守ろうとする大工さんたちの努力に心打たれました」
 
工事部の本木からはこんなメールが入った。
「本日リフォームのF邸にて、大工さんの手伝いをしました。
そこで杉江大工さんの仕事を間近で見ることが出来ました。さすがという他に言葉が見つかりませんでした。段取りの良さといい、納まりといいそれは見事なものでした。
プロだから当然といえばそうなのですが、元職人の自分でも、あそこまでは足元にも及びません。それと、F様の奥様には、いつも10時と3時はおろか、昼休みにはお漬物や、お味噌汁までご馳走になってしまいました。とても気配りの優しい方で、職人さんたちがみんなはつらつと仕事をさせていただいているようでした。マツミのお客様は、みさなんが職人を気持ちよく働かせてくださるのでつくづくありがたいと思っています」

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2006年07月21日(金)

「ダンス・オブ・ヴァンパイア」

DSCF0159.jpg
帝国劇場で上演されている「ダンス・オブ・ヴァンパイア」を見に行った。
劇場の隣にある「波奈」丸の内店で早めの夕食をした。この店は何を食べても安くておいしい。秋刀魚の塩焼きを食べたのは、家ではどうやっても成功しない焼き加減を味わいたいからだ。
写真のような焦げ加減で、油をたっぷりと含んだまま焼き上がっている。
一匹を4人で分け合ったのだが「うまい、おいしい!」が連発した。
まるで腹をすかせたヴァンパイア(吸血鬼)のように、いろいろなものを食べた。
そのせいで、開演してしばらくは睡魔に襲われた。
しかし、主演のクロロック伯爵役の山口祐一郎さんの朗々たる歌声で目が覚めた。「圧倒的な存在感」という表現がピッタリ。吸血鬼退治に全人生を捧げているとされるアブロンシウス教授役は市村正親さん。この人の演技は、見せるし、魅せられる。
他愛のないストーリーだが、ダンスがすばらしかった。特に、伯爵の化身を演じた新上裕也さんが印象深かった。絹糸のような繊細さと、荒縄のようなダイナミックさを織り交ぜてエキサイティングなダンスを堪能させてくれた。
また、伯爵の息子役を演じた吉野圭吾さんの濃艶な色気にはドギマギさせられた。男のお尻もセクシーなものだと観客の多くは思ったことだろう。
フィナーレでは、満席の客が総立ちで手拍子。地下へ行くエレベーターホールと駐車場の出口は、出演者を見送ろうとする熱烈なファンであふれていた。


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2006年07月20日(木)

反響

「家づくりは愛なのだ!」について、数々の反響があった。
クレゾール事件の被害者である中村弥生さんから久保田さんに電話があったという。
「本当にそうなのですね。家は家族の愛を生み、守り、育てていくところなのだということを家を失って痛感している毎日です」と。
 
イギリスのチャールズ皇太子が「建築の原則は、人間的でなければならない」と言われているが、「人間的」ということは、思いやりであり、愛なのだと思う。
これを高砂建設の関係者が読んでくれることを願っている。

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2006年07月18日(火)

家づくりは愛なのだ!

久保田紀子さんが、体感ハウスの管理について社員に話していた。
 
「体感ハウスは生きものです。
心を込めて接しなければなりません。
鈍感、無関心、横着などはすぐに心地良さに悪影響をもたらします。
五感を研ぎ澄ます訓練の場でもあるのですから、もっと、もっと体感ハウスに好奇心を燃やすことです。
こんなにお客様思いの家はないのですから。
それは愛と言い換えてもいいでしょう。
家づくりは愛なのだ、と私は思っているのですよ」
 
久保田さんは、家づくりが好きなのだ。
社員の中で並ぶものがないほどに。
「家づくりは愛なのだ!」
本当にそう思う。

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2006年07月17日(月)

マイペース

朝方、横浜体感ハウスの屋根瓦が「痛い、痛い」と悲鳴を上げるような激しさで雨が降った。
道路の向かい側に建築中のツーバイフォーの家は、20日ほどが過ぎても屋根がかからない。
当然びしょ濡れだ。
現場の入り口にはゴミが散乱し、タバコの吸殻が目立つ。
週末には、施主の若夫婦が姿を見せる。
近所付き合いをしたいので声を掛けたいのだが、気の毒でできないでいる。
裏では、セキスイハウスが2棟基礎工事に入った。
手際の良さ、現場管理はさすがである。見える範囲内に、セキスイハウスが4棟工事をしている。
周りがライバルだらけなのに、ツーバイフォーの会社は悠然としてマイペースを崩そうとしない。
その点で、見るたびに感心させられている。

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2006年07月15日(土)

伊藤監督へ

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昨夜、伊藤さんの現場が気になって見に行った。
実にきれいだった。
感動したよ。
うれしかったよ。
ご苦労さん!
ありがとう!

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2006年07月14日(金)

こんな家なら日本に建てよう!

U邸の上棟は、今年一番の暑さの中で無事終わった。
Uさんは、イタリアを本拠にしてグローバルに活躍されているビジネスマンだ。
終の棲家は、気候条件の良いどこか外国に建てる予定でいたが、読書好きの奥さんが〔「いい家」が欲しい。〕を見つけてきた。
夫婦で読んでみて、お互いに感じるところが多々あった。建築中の現場を見ると、「マツミの家」は価値が見える家造りであることを納得した。
「よし、こんな家なら日本に建てよう!」
そう決心して、土地はマツミハウジングから歩けるところに確保した。
Uさんは、4人の子供たちの前で挨拶された。
マツミの家を建てるに至った経緯、家族への思い、著者への感謝、そして、上棟に携わった人たちへのねぎらいを手短に、しかし心を込めて話された。
私は帰り際に子供たちと握手を交わしたのだが、その手に「君たちの子供たちからも感謝される家を造るよ」と誓いを伝えた。

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2006年07月13日(木)

契約と上棟

「私は、松井さんの本をブックオフで買い求めたのですよ」
今日契約したSさんの奥さんが申し訳なさそうに言われた。
「私が夢中で読んでいると、3人の娘たちが代わる代わる言いました。
“お母さん、いい家を欲しがったって、うちではとても無理よ”と。
でも、築35年以上のわが家は、暑くて、寒くて、湿気とカビがひどいのです。特に北側の和室はカビ臭くて、その部屋で寝ている末の娘はいつも調子が悪いのです。大地震に見舞われたら簡単に潰れてしまいそうですし、なんとしても建替えたかったのです。
70才になった主人と何回も話し合って、マツミの家に住むことを決心しました」
傍らで無口なご主人が大きくうなずかれた。
とつとつと語る奥さんの話には、目が潤んでしまうほどに感慨が込められていた。
 
K邸の上棟は、熱中症にならないかと心配するほど暑い中、無事に終わった。
ご夫妻は二人の息子さんと共に朝から上棟を見守られていた。
夕立もあって湿度は100%に近い感じがしたが、そのせいかヒノキの香りが一段と濃かった。
満足そうなご家族と、仕事を無事やり終えたとびさんと大工さん、そして監督の蒸気した顔を見ていると、仕事冥利に尽きる思いがした。

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2006年07月12日(水)

大工さんの昼寝

定休日である水曜日は、なるべく現場回りをすることにしている。
今日は大変蒸し暑かったが、大工さんたちはみんな元気で働いていた。
林さんは、小田原に単身赴任をしている。
「思ったこと、感じたこと」(1月19日)「いい家に進路を!」のK邸の棟梁として。
毎週土曜日に奥さんのもとへ帰るのだそうだ。
「毎日女房のありがたさをかみしめています」と、大きな体をすぼめるようにして言っていた。
応援に入っている郷さん兄弟から「社長、箱根の温泉で一杯飲みたいなー」と声がかかった。
世田谷のY邸の棟梁は真柄さん。二人の娘は、高校生と中学生。
「もう口ではまったく敵いません」と苦笑していた。
M邸は脇坂さん。
二人の子がいて、下の子がおしゃべりをするようになったと、うれしそうに話してくれた。
I邸は高橋さん。ベテランの棟梁は暑さで顔を赤らめながら笑顔で言った。
「毎日2回はお客様が見に来られるので、落ち度のないようにとこころがけています」と。
IMG_4574.jpg
 
ところで、お客様は現場に手ぶらで来ることが気がひけるようだ。
そこで冷たい飲み物を持参してこられる人が多い。
すると、大工さんたちは手を休めて冷たい内にいただこうとする。内心では遠慮したいのに。
大工さんは写真のように小型冷蔵庫を持参しているから、自分のペースで飲みたいのだ。そうした方が体調によいからだ。
どうぞ気兼ねせずに手ぶらで来ていただきたい。
私はいつも手ぶらで行く。
そして大工さんが休憩している時間帯は避けるようにしている。マツミの家は外断熱工事が終わって窓が取り付くと、今日のような暑さでも涼しいから昼寝するのにもってこいだ。
大工さんたちは、小屋裏が落ち着いて寝られていいと言う。暑い盛りの小屋裏で、大工さんが昼寝したがる家は、住み心地が良いことの証である。

カテゴリー: 投稿者 :松井

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2006年07月10日(月)

トイレの消臭

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トイレを掃除していて気づくことは、尿の飛び跳ねが驚くばかりに広範囲に及んでいることだ。床はもちろんのこと、四方の壁、ドアにも跳ねている。実は、男性だけではなく女性でも跳ねる。跳ねた小水は便座の縁を伝い下がって床を汚すことになる。
写真のように一見すると、排水が詰まって溢れたかのように見える。
そのように信じているお客様には、便器をはずして説明をしなければならない。いきなりご家族の尿が跳ねた結果だとは言えないから。
そしてトイレの中で、お互いにバツの悪い笑顔で了解し合うことになる。
 
ライオンから「きれいのミスト」シリーズが発売された。
「シュシュッ」と吹きかければ、新技術の銀イオンが雑菌と不快臭を元から除去してしまうという。
キッチン、浴室、トイレ用の3種類がある。それぞれの容器につけられている説明書を紹介したい。
トイレ用である。
「トイレに入るとなんとなく臭う時、ありますよね。不思議?と思ったら原因は『尿ハネ』。飛び散った尿が放置されて、菌が増殖しニオイが発生していたのです。
●不快な臭いを発生させる菌は、飛び散った尿が絶好の栄養源。毎日の『尿ハネ』ケアが、ニオイ対策のポイントです。
●でも、男性の立ったままの小用時に飛び散る距離は、約1メートル。
飛び散る飛沫は、約2000滴!おまけに1日何回も何回も、どこに飛び散ったやら・・・
●『こもったニオイ』はトイレのきれいのバロメーターなのです。

浴室用の説明。
「浴室が気づかないうちに雑菌だらけになっていませんか?
気になりませんか?こんな汚れ・・・
『ピンクヌメリ』
排水口や浴室のスミなど水の残る場所で発生する真菌類の一種で、増殖スピードが速いため掃除をしてもすぐに生えてくる。手間のかかるやっかいな微生物汚れです。
●雑菌は、入浴後など高温多湿の状態が大好き。気づかないうちにみるみる増殖しています。
●なかでも『ピンクヌメリ』は黒カビと違って生えるスピードが速い速い!こまめに掃除しても2、3日もするとまたピンク色に・・・
●『ピンクヌメリ』は浴室のきれいのバロメーターなのです。

わが家のトイレは2箇所あるが、5人の男が使用していた時期がある。
4人の男の子たち、朝から夜遅くまで何回も勢いよく噴出していたから、掃除役の女房は孤軍奮闘しつつ座って用を足すことを強く求め続けていた。
当時もしライオンの説明書があったら、トイレにこんな張り紙をしたことだろう。
 
男性の皆さんへ!
立って小便をした場合、跳ね散る飛沫は1メートル四方に2000滴。
一日5回すればなんと1万滴!5人ですれば、5万滴。10日目には、したたるばかりに50万滴。
皆さんのズボンはもとより、顔にまで降りかかっているのかもしれませんよ。
座ってしてください!
 
だが、私は座ることを求めなかった。
飛沫が勢いよく飛び散るほどの排尿は、最高に気分がいいことを知っていたからだ。
子供の頃、土手に並び、川に向かって男子としての誇りをかけて飛距離を競い合ったのを思い出す。
そこで、男子用の便器をつけようと検討していたのだが、あるときゴルフ場の浴室の直ぐ近くにあるトイレで、裸で小便をしたらびっくりするほど自分に跳ね返ってきたので止めることにした。
それから、跳ね返りの少ない用の足し方と、トイレの形状に強い関心を持つことになった。その話はまたの機会にするとして、要は、化学の力で臭いはなくせても、汚れは消せないということだ。
そして気になることは、消臭作用が優れていても、それがまた何がしかの新たなにおいを出すことだ。となるとトイレの消臭は、やはり掃除が一番ということになる。
換気システムが正常に作動して、跳ねの拭き取りがこまめにされているトイレは無臭に近いのだから。

カテゴリー: 投稿者 :松井

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2006年07月08日(土)

ペトロフのピアノ

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(写真は、プラハのドヴォルザーク博物館のホールに置かれているペトロフ・ROKOKO)
昨日プラハへ行くことを記したところ、あるお客様からメールをいただいた。
「これから工事をしていただく新しい家には、プラハの郊外にあるペトロフ社製のグランドピアノを入れます。現在職人さんが無垢材を削って手作りしてくれているそうです。
ピアノ屋さんからはプラハの写真を見せてもらっていますが、私たち夫婦はまだ行ったことがなく、憧れの街です。
機会がありましたら、ペトロフの音色を楽しんできてください。スタインウェイとは違って、繊細でサロンコンサートにうってつけです」
 
旅の楽しみが増えた。
「ボヘミアの文化と自然が育んだロマンチックサウンド」を現地で聴いてみたい。

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2006年07月07日(金)

蘇る匂いと音

池内 紀著 「ウィーン・都市の万華鏡」(音楽の友社)の中に、「ここにあるのは名前の匂いだ」という表現があった。
その一行を読んだ瞬間に、実際に匂いを嗅ぎに行きたくなった。
ウィーンに行くのであれば、モーツアルトの生誕250周年記念フェスティバルが開かれているザルツブルクに行かなければ。
ところが問い合わせると、すでに「フィガロの結婚」も「魔笛」も全て売り切れだという。
ならば、ウイーンを挟んで両側に位置するプラハとブタペストへ行こうと決心した。
 
旅は五感を癒し、刺激する。
私は視覚や味覚や触覚以上に嗅覚、聴覚の思い出がいつまでも蘇ってくる。
例えば、ストーンヘッジといえば、草原を渡ってくる湿った空気に含まれている土の匂いと、巨石の間を駆け巡るかすかな風の音だ。
バーボンストリートでは、アルコールと反吐の匂いとジャズの音。
アルハンブラ宮殿の離宮であるヘネラリーフェ。そのアセキアのパティオで聞き惚れた噴水の音、などなど。
プラハとブタペストには、どんな匂いと音があるのだろうか?

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2006年07月05日(水)

突然の停電

突然停電になった。
「懐中電灯は?」
「確かその辺に・・・」
「どこだ?」
「た・し・か、この辺に」
「携帯の明かりを利用しよう!」
「携帯はどこだ?」
「たしかその辺に・・・」
手探りで携帯を探す二人。
ガシャーン。
「何が落ちた?」
「・・・」
RIMG0332.jpg
「キヤァーン」とプードルのななちゃんが悲鳴を上げた。
「アラッ、ななちゃんを蹴飛ばした!」
ようやく携帯が手に入る。
その明かりで配電盤の蓋を開けた。
大元のブレーカーを何回上げ下げしても明かりがつかない。
あせる。
会社に電話したら山下監督が直ぐに見に行きますと応えてくれた。
その間に懐中電灯を探すことにする。
「もしも大地震だったら、二人ともあの世行きだよ」と言いながら。
やっと見つかった懐中電灯のスポット光が、床のホコリを照らし出す。
思わず、「おーい、監督が来る前に掃除機をかけておいたほうがいいよ」と叫んでしまった。
 
ほどなく監督が駆けつけてきた。
まず、大元のブレーカーを上げ下げした。
次に、20ある回路をすべてOFFにした。それから大元をONにし、スイッチを一つずつONにしていった。ある箇所でバチーンとブレーカーが落ちた。
「ここです。明日、電気屋さんに修繕を頼んでおきます」
かくて、無事明かりが回復した。
監督が帰ってから女房が言った。
「あのとき、思わず掃除機を取りに行ってしまったわ」と。
笑っている場合ではない。災害時の見直しを図らなくては。

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2006年07月03日(月)

妻が夫に望むこと

日経の「プラス1・何でもランキング」
<妻が夫に望むこと>
1.自分がしたことに感謝の言葉をかけてくれる
2.決断力を持ち家庭を引っ張ってくれる
3.話をよく聞いてくれる
4.結婚式、誕生日など記念品を忘れない
5.いつも機嫌良く笑っていてくれる
6.興味のない話題でも積極的に会話に付き合ってくれる
7.作った料理をおいしいと言ってくれる
8.子供とよく遊んでくれる
9.悩みでも何でも話してくれる
10.バリバリ働いて稼ぎを増やしてくれる
だそうだ。
このランキングから分かることは、妻に喜んでもらうには稼ぎを増やすことよりも「ありがとう」の一言の方が役立つということのようだ。
もし、さらに褒めることができるならば、「亭主ほめればよく稼ぎ、女房ほめればよく尽くす」という言葉どおりになるのかも。
ためしにわが妻に該当する項目を選んでもらおうと思ったが、「何もありません」と言われるのが恐くなって止めておいた。

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2006年07月01日(土)

ファイドン社

DSC_2750.jpg
注文していた「ファイドン・アトラス 世界の現代建築」(ファイドン社発行)が届いた。
特殊なプラスチックケースに収められ、片手で持っているとすぐにくたびれてしまうほどずっしりと重い。
世界75カ国の1052の建築物、656人の建築家の作品が4600枚のカラー写真で紹介されている。
期待にワクワクしながら開いてみた。
最初のページから感嘆詞の連発となった。それを聞いていたら居合わせた設計士が集まってきた。彼らも一様に、ページをめくるたびに「うわーっ!」とか「おーっ!」とため息をついた。
「建築物は、見られるために建てられる」
そんな定義をしたくなるようなものばかりが集められている。
いい本を手に入れたときに感じる満足感がたまらない。
 
ファイドン社は建築関係の本を数多く発行している。
「THE HOUSE BOOK」は、東洋経済の「会社四季報」と同様の大きさだが、そこには世界中の数々の住宅の写真が掲載されている。
設計、施工、監理、そして住み心地などを想像しつつページをめくるのだが、その都度にファイドン社のご苦労に感謝したくなる。

カテゴリー: 投稿者 :松井

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