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2006年11月29日(水)
立派な大根
スーパーの野菜売り場で、「大根や白菜が豊作過ぎて廃棄処分にされている」というニュースを思い出した。
少し背が丸くなった高齢の夫婦が葉っぱのついた大きな大根を手にして何やら話し合っていた。
「この大根は、トラックターに踏みにじられなくてよかったね」
「そうですね。ぜひ買ってあげておいしく食べてあげましょう」
そのように聞こえた気がして、夫婦が立ち去った後で私も大根を手にした。
そのとたんに困惑した。大き過ぎて買いものカゴに納まらないからである。
夫婦は、奥さんが両手で抱えるようにしてレジに向かった。同じようにその後につけばいいと思ったのだが勇気が出なかった。
そこで元に戻し、20センチぐらいの大きさに切ってあるものをカゴに入れた。
出口でさきほどの夫婦と一緒になった。やせて小柄な奥さんが、まるで赤ちゃんを抱っこするように大根を抱えていた。
「立派な大根ですね」
思わず、そう声を掛けてしまってから反省した。
大根を買う動機は、料理の方法をイメージしていたからではない。廃棄処分せざるを得ない農家への同情からであった。であるなら、丸ごと一本を買うべきだったと。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月28日(火)
家畜化する子供たち
文芸春秋12月号の教育特集「子供を殺すのは教師か親か」は、一読に値する。
中でも石川結貴さんのレポート「家畜化する子供たち」が衝撃的だ。
〔衣食住、すべて満ち足りた状況といっても過言ではない。ところが、その実態を丹念に見ていくと、本来の「育ち」を与えられないまま、むしろ奪われていく現実が浮き彫りになる。〕
蛇口がひねれない子、ボタンをはめられない子、ヒジキや切干大根を虫だと言う子、自分の家のトイレが快適なために外のトイレを使えない子、お尻が拭けない子、壮絶なまでに「お受験」用しつけを受ける子などなど。
嘆かわしいなどという感想すら浮かばないほどに驚くべき現実が連続して紹介されている。
「床食い」、「ソファーめし」とは、いったいどんなことなのだろうか?
後者は、直ぐにイメージできた。ソファーで食事をしながらテレビを見ることだと。しかし、「床食い」は解説を読まないことには分からなかった。
母親と子供が床に食事を並べて食べることをいうのだそうだ。
なぜそうするのか?
「床暖房が普及したため、床にお尻や足をペタンとつけて座りながら食べたほうが快適、だからといって座卓を使うことは『ダサイ』というのだ」そうだ。
「家畜化する」という意味は、ぜひレポートを読んで理解していただきたい。
子供を家畜化しているのは誰なのか?
その手助けを、家づくりに携わる者がしていないのか?
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月27日(月)
笑顔のプレゼント

「いい家」がこの世に生まれた瞬間である。
鳥肌が立つような美しさだ。
「まるで、子供が生まれたときのような感動を覚えます」
Mさんの言葉に、私は答えた。
「手を掛け、手を尽くして育てあげます」と。
「ヒノキの香りがたまらなくいい」
ご夫妻は目をつむって深呼吸をされた。
「本と出会えて、本当によかったと思っています」
Mさんはそう言って、すばらしい笑顔をプレゼントしてくださった。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月25日(土)
山東利彦という人

通称「基礎屋さん」として、全国にその名が知られている山東(さんどう)利彦さんが来られた。
山東さんは、毎年この時期に福井から獲れたてのカニを車で運んできてくれる。それも社員がたらふく食べられるだけの量を。
おいしくて、おいしくて食べている間はみんな口が利けなくなる。食べ終わってから、山東さんの話を聞くのが楽しみなのだ。
山東さんは、今年写真の本を出版した。
「あったかい家」、それを誰もが望みながら手に入れる人は少ない。
「みなさんの家の仏壇はどこにありますか?寒い部屋にありませんか?それではご先祖様に心をこめて手をあわせることができないでしょう」
地方の豪邸では、大概が寒い部屋に置かれているという。そのせいでか、主人が脳溢血などで早死にする家が多いそうだ。
「いい基礎の上に、あったかい家を造ることが工務店の使命だ」との主張は説得力がある。
また、こんなことも言われていた。
「基礎の欠陥のほとんどは、建てて1年以内に現れます。その後に生じる不等沈下(不同沈下ともいう)などの不具合の原因は、付近で行われた下水工事やビルの建築などに原因がある場合がほとんどです」。
さらに続けて、「全国を歩いていると、“いい家が欲しい”の悪口を言う人に出会うことがあります。私は言ってやるのですよ。“悪口を言いたければ、松井さんと同じぐらいのレベルの家を造れるようになってからにしなさい”と」。
15年前にアメリカ住宅視察で出会った縁を、年毎に深めて大切にしてくれる山東利彦という人物のあたたかさは私の心の支えであり、その豊富な情報、高い識見は「マツミの家」の支柱でもある。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月24日(金)
趣味は家づくり

「私は、趣味をとても大切にしています。仕事は、趣味を楽しむための手段だと思っているのですよ」
Sさんが目を輝かせて語るのを聞いていると、私もそうしたいと思ってしまう。
しかし、私にとっては家づくりが趣味のようだ。
こうして上棟された家を眺めているとつくづくそう思う。
それ以上の喜びを求めるとしたら、罰があたるような気がしてならないのだ。
職人と大工さん、設計士、監督たちと一緒になってお客様と感動を共有できる幸せは最高だ。
それは、正直に「いい家」を造る者にだけ与えられるのだと確信している。
Sさんの挨拶は、こみ上げる熱い思いで幾度か中断した。
そのたびに、共感が深まり、目がうるんでならなかった。
ところでさきほど、ブログを読んだ女房からクレームがあった。
彼女は長野県戸隠村の農家の出だ。
最近でも熊がやってきて、ばあさんが丹精込めて育てる作物を盗っていってしまうほどに辺鄙なところだ。
しかし、空気と水がきれいで、実にいいところである。
女房は言う。
「あなたの前に、水戸工務店さんが同じように趣味について書いています。
社長さんは農業が趣味ですって。
家づくりが趣味だなどと言っているようでは、ゆとりがなさ過ぎますよ。
あなたは、スキーやバイクに夢中になっていたときの方が素敵でした。
水戸工務店の社長さんにお願いして、芋つくりの弟子にしてもらうといいですよ」
たしかに、そうかもしれない。
水戸工務店の小林社長の「いい家」造りにかける情熱はすごいの一言に尽きる。
あのエネルギーは、土地を耕すことから生まれているのだろうか。
そうだ、Sさんの話をもう一度よくかみしめてみよう。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月23日(木)
超一流ホテル
ホテルに泊まることは、私にとって旅の楽しみの重要な一部となっている。
しかし、一流とされていても、相性が合わなかったり、嫌な思いをさせられることがある。
昨年泊まったブリュッセルのコンラッドは、これまでに宿泊したホテルの中で最悪だった。
留守中に部屋の金庫が何者かに荒らされた。
状況や、地元警察に立ち会ってもらって提出させた入室記録から判断するに、従業員の犯行であることは明らかだった。しかしホテル側は、その事実を認めようとしなかった。
話し合いの最中に、マネージャーは急用を理由にそそくさと席をはずしてしまうし、フロントの係りは仲間をかばい、まるで犯罪者グループという印象を受けた。
コンラッドは、ヒルトンファミリーの最高級ブランドとされている。しかし、帰国後コンラッド東京に相談したが、ブリュッセルの対応とほとんど変わりがなく、ブランドを大切にするという気構えが実に希薄に感じられた。
そのことから学んだことは、住宅業界と同じで、「ガイドブックやホテル側から発信される情報を鵜呑みにしてはならない」ということだ。
そこで求められるのが信頼できる案内なのだが、この本が正にそのようだ。

全6巻の3巻が発売されているが、1巻の内容だけでも信頼感にあふれていてすぐにでも泊まりに行きたくなってしまう。超一流のホテルの魅力の数々を見事に撮らえた岸川恵俊さんのエネルギーと感性には敬服する。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月22日(水)
5才の子にも

この写真は、今年の2月14日バレンタインデーにS邸を引渡した時のものだ。
当時彼は4才の男の子。表情が魅力的で、豊かな感受性に溢れていた。
頬杖をついたり、寝転んだりしていろいろなことを話し合った。
私は男の子ばかり4人育てたので、彼と話していると同じ年頃のことが思い出され懐かしかった。
今日、久しぶりに訪問した。
彼に会えるのを楽しみに玄関を入ると、迎えに出てきたのはよちよち歩きの赤ちゃんだった。
「うわーっ!あのとき生まれたばかりの赤ちゃんが、もう歩いている!
お兄ちゃんは?」
「いま幼稚園に行っているのですよ」
「住み心地はいかがですか?」
「それがですね。お兄ちゃんがこんなことを言うのです。
“この家は気持ちがいいねー。静かだしボクは毎晩ぐっすり眠られるよ”って。
きっと、主人か親の言葉の受け売りだろうと思って聞いてみると、みんなそうは思っているけれど口には出していないと言うのです。
“へー、すごい!この家は5才の子にも良さが分かるのだ”。主人と顔を見合わせて大笑いしました」
そんな会話をしている最中に、赤ちゃんは床に寝転んだりしてすこぶる機嫌がよかった。
「お兄ちゃんもそうですが、この子もよく床に寝転んで遊びます。きっと、床も暖かいので気持ちがいいのだと思います」
なんともうれしい話だった。

カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月21日(火)
TIP構法の美しさ

外周の下地板を斜め45度に張るTIP構法は、ヒノキを用いてライトアップされたとき鳥肌が立つような美しさを発揮する。(マツミの家参照)
構造の美しさは、材料を吟味し、手間を掛けないことには発揮されない。それを承知の上で、造り手の多くは合板や、OSB(木材を砕いて接着剤で板状に固めたもの)で代用してしまう。そうする方が地震に強いからだというのは建て前であって、本音は安くて、早くて、簡単にできるからだ。
しかし、ひとたび現場を見た人は本音に気づく。そして、美しいということの価値を納得する。
過日M邸の上棟のときに奥さんがこんな話を聞かせてくださった。
「主人は、人一倍研究熱心ですから住宅展示場を片っ端から訪ね歩きました。枕元に、集めたパンフレットがうず高く積まれ、下敷きになってしまうかと心配になるほどでした。
散々迷った結果、あるハウスメーカーさんと契約することになり、やれやれ、これで一段落したとホッとしたのです。
すると、契約の直前に突然この本を読むようにと渡されたのが久保田さんの本でした。
私はとても読む気になれなかったのですが、契約を止めることにしたと言うものですから仕方なしに読みました。
読み始めると内容がおもしろいのですよ。ぐいぐいと引き込まれていき、読み終わったときには主人の変心が納得できるようになっていました。
それで、さっそく勉強会に参加し、今日の上棟を迎えることになったのですが、こうして眺めていますと、マツミの家にしてよかったとつくづく感じます」。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月20日(月)
吉建ホームさん

「いい家」をつくる会の吉建ホームさんhttp://www.yoshiken-home.com/が換気の勉強に訪ねてこられた。
横浜体感ハウスは、第1種と第3種換気装置を備えていて切り替えて使用できるようになっている。
そして、24時間、温度と湿度の変化が記録されている。
現在は第1種が働いているのだが、21時55分、外気導入部の温度は14度で湿度が92%、全熱交換された温度は23度で湿度が51%である。室内の温度は23〜24度。
家造りで一番難しいのは「換気」だと思う。
その土地、その家族に最適な設計をするのは当然なのだが、コスト、省エネ度、音、メンテナンス、施工技術など、多岐にわたってベターを追求することは容易ではない。
それだけにグローバルに情報集め、基本をしっかりと勉強し、設計力と施工能力を高めなければならない。
吉建ホームの吉田一男社長さんは、そのように語られた。
社員さんたちは、みんな目が輝いていて元気にあふれている。
「いい家」を建てる!という意気込みに圧倒された。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月18日(土)
省エネ

マイクさんが、壁に掛けられている写真に目を止めた。
「これは?」
「この位置から壁の中を撮影したものです。もちろん、工事中なのですが。イギリスでは見られない構造でしょう。斜め45度に張った板が大地震のときにこの家を支えてくれるのです」
「私の家は、100年以上前に建ったレンガ造りですが、木造は美しいですね。こんな高性能な家に住んでみたくなりました」
マイクさんが感心して言うと、荒川さんが、
「1666年の大火があってから、ロンドンでは木造建築は一切禁止になりましたからね。ロンドンの私の家もレンガ造りですが、このように暖かくないです。たしかにこの家は性能が優れていますね」
すると、マイクさんがこんな話をした。
「イギリスでは来年の4月から省エネが一段と厳しく求められるようになります。
家を売買する時は、省エネ判定士の判定書を付けることになるのです。その内容が優れたものであれば高く売れるわけです。判定は義務ではないようですが、判定書がないと買い手が不安になりますから、みんな付けざるを得なくなると思います」
「それはまた思い切った法律ですね。そうなると、断熱の方法と暖房の仕方がクローズアップされるのでしょうね。クレダにとっては追い風ですね」
予想に反して、マイクさんの表情が曇った。
「それが逆なのです。イギリスでは電力を天然ガスに頼っていますから、いずれその供給は先細りになるという想定で、家庭の暖房はなるべく電気を使わないものにすべきだと、政府が考え始めているのです」
「ではどんなものがいいのですか?」
「自然エネルギーです。太陽熱温水を利用する暖房などです」
「マイクさん、このように性能の良い家を造れば、クレダの方が安上がりではありませんか?」
「ええ、そのとおりですよ」
実は、わが国にも「自立循環型住宅」という提案が始まっていて、そこでの考え方がよく似たものなのだ。いわゆる「ゼロエネルギー」を理想としている。
自然エネルギー利用のイニシャルコストは、国民が負担するのだから採算は二の次でよい。京都議定書の国際約束を果たすためには、国民には応分の負担を覚悟してもらわなければならない。極端に言い換えれば、「それが嫌なら蝋燭を灯し、炭火で暖を採ってもらいたい」となろう。
そこで、マイクさんの会社では政府の方針に沿ったクレダを発売するという。過剰暖房にならないようにスイッチ操作ができるようにし、冷えてしまったら温風暖房に切り替えられるように工夫されている。
カタログで説明を受けて私は率直に感想を言った。
「それは売れないでしょうね」と。
するとマイクさんは両手を広げ、首を少し傾け、ユーモラスな表情で、
「たしかに。わたくしも同感です」と言った。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月17日(金)
オー・サプライズ!

クレダ暖房機の発売元であるイギリスのアプライド・エネジー社のマイク・アンドリューさんが荒川さんと一緒に訪ねてこられた。
久保田紀子さんの「クレダの旅」の登場人物4人が2年ぶりに顔を合わせた。
マイクさんが最初に体感ハウスに来たのは2年前の5月だったので、クレダがオフになっていた。そこで寒い時期に、ぜひ体感してみたいと再会を約束していた。
今日の外気温は日中で10度。ロンドンはもう少し寒いのでマイクさんの家ではクレダをオンにしているそうだ。
体感ハウスに入ったとたんに、マイクさんは「暖かい」と言った。
昨夜、この冬初めてスイッチを入れたのだが。
触った久保田さんが「あらっ、ついていませんよ」と怪訝そうに言う。
四人は、代わる代わる触った。
「しまった。ブレーカーのスイッチを入れ忘れた」せっかく体感に来てもらったというのに。
謝る私に、マイクさんは玄関収納の上に置いてあるデジタル温度計を指さして言った。
「これは驚きました。19.7度とは!何か他に暖房をしているのですか?」
「いいえ、何も」
今日は太陽熱も利用していない。この冬、一番の寒さだというのに暖房していなくても20度近いとは。
みんなが「オー、サプライズ!」と顔を見合わせた。
この続きは明日に。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月16日(木)
クリント・イーストウッド監督
今夜のNHKテレビ「クローズアップ現代」は、クリント・イーストウッド監督とのインタビューだった。
是非とも見たかったのだが、接客が長引いて見られなかった。
帰宅して残念がると女房が見たという。
「どんな話をしていたの?」
「年を取らなければ分からないことがある。だから年を取ることを楽しみなさい。仕事が好きな内は、現役でがんばりなさい。好きでなくなったときが引退するときです」
「それだけ?」
「監督は76才だそうですよ。社長、お互いにがんばりましょう!」
話は簡略にと長年言い続けてきたから仕方がないのだが、話し方が情緒に乏しい。
イーストウッドについては、もっと熱く語って欲しいのだ。
しかし、いい言葉だ。さすがだと感心させられる。
「ミリオンダラー・ベイビー」を思い出す。
幸せでない年を重ねつつ、一人の女性ボクサーに希望を見出し、共に人生に明かりを灯せると思ったのはつかの間。
失意を背負ってどこへ行くのだろうか、孤独な老人の背中があまりにもやるせなく涙が止まらなかった。
でも、その後、あの老人は年を取ることを楽しむようになれたのだ、と今夜わかった。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月14日(火)
信条の具現化

設計部で、実際に車いすを操作して体験から知識を見直そうではないかという提案が出された。そこで早速実行された。
1時間ほどの体験から学んだことは、バリアフリーやユニバーサルデザインに関する知識が豊富にあり、想像力と思いやりがあっても実体験がなくては車いす対応の設計は難しいということだ。
その後のミーティングで出された意見の中で、「性能表示が最高レベルであるというのは、造る側に立った評価でしかない」という意見が印象的だった。
マツミではISOに取り組んでいるのだが、その目的は住む人の幸せを願うことを第一義とする信条の具現化である。
信条は絵に描いた餅であってはならない。だから、日常の業務において具体的に行動で裏打ちすることが大切だ。
社員たちがそれを自覚して、日々研鑽と努力を惜しまないことを頼もしく思う。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月13日(月)
電磁波
今日契約したお客様とこんな会話を交わした。
「IHクッキングヒーターがいいと思っていたのですが、ある人から電磁波のことを聞いてすっかり腰が引けてしまいました。
かといって、年寄りと同居しますからガス調理器というのも怖いところがありますし・・・」
「地震対策という視点からは、IHをお勧めしたいですね。安全性がガスより高いからです。それに電気が一番早く復旧します。他にもお勧めしたい点は、省エネに優ること、空気を汚さないことと、着衣発火の心配がないことなどです」
「たしかにそうですね。私は人に何か言われるとすぐに迷ってしまうのですよ。でも、迷い迷っているうちにマツミさんにたどり着けたのですから、それを思うと迷うこともいいことだと」
「はい。これからも大いに迷ってくださって構いません。設備類の発注は、来年の5月頃になりますから、3月末頃まで迷う時間があります」
電磁波の危険性に関しては、いろいろな説がある。毎日、裸のままで3時間調理を続けていたとして、影響が出るかもしれないのは100年後ぐらいという説もあれば、絶対に使うべきではないとの主張もある。
ここ数日、女房が旅行に出かけているので、私はIHを使って料理している。
今夜もそうだったのだが、スイッチを入れるときに電磁波ではなく、その方の笑顔が思い浮かんだ。
とても素敵な人だ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月12日(日)
品質の復讐

「品質の復讐」――私は、常にそれを恐れている。
「いい家」を造る、という宣言をしているが納得できる品質を具現することは容易ではない。
地震、台風、洪水をはじめとする自然災害に強く、防火、防犯、防カビ、防蟻性能を高め、かつ省エネで上質な住み心地を実現する。
いや、それだけではダメだ。
住む人はもとより、造る人、そして地球の健康にも十分な配慮が求められる。
どれか一つでも疎かにすれば、「品質の復讐」を受けることは必至である。
家造りは一人ではできない。一軒の家を完成するには、延べ数百人の人手が必要だ。仕事としては完璧であっても、だれか一人の言動が住む人の心の片隅に不信や失望を与えたら失敗と同じことになりかねない。
いつも傍らで見ている久保田紀子さんが、よく言うセリフがある。
「工務店の経営者って、本当に大変なんですね」と。
「何の商売でも同じですよ」と笑って答えるのだが、「品質の復讐」が恐くてならないことは確かだ。
その臆病なまでの私の姿勢を見ていて、久保田さんは言うのだ。
「いい家」造りは、ことのほか奥行きが深く、難しい。だからこそ、一生をかけて取り組みたい。
幸いなことに、私のまわりには「いい家」をつくる会の同志たちがいる。みんな「品質の復讐」を恐れる人たちだ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月11日(土)
うれしいこと
今日は、うれしいことが三つあった。
一つは、1月19日「思ったこと、感じたこと」に、「いい家に進路を!」というテーマで紹介したK邸が無事お引渡しできたこと。
二つは、新横浜の駅前に建築中のK邸のご主人さんから、「毎日眺めているのがうれしくてたまらない」というお話をいただいたこと。
そして、三つはS様からご招待を受けた担当設計士からこのような報告メールを受けたことである。
本日は、心のこもった奥様の手料理をいただきました。
社長と監督も招待したかったのですが、土曜日では迷惑と思い私だけを招いてくださったとのことでした。
スモークサーモンサラダ、豆とひじきの和風和え物、ミネストローネ、ビーフストロガノフ、手作りのケーキと杏仁豆腐、コーヒー、紅茶でした。
とてもおいしかったです。
食事の間に、ご主人様のお仕事、奥様との出会い、嬬恋の野外ライブにお二人で出かけたときのこと、建築中に意見が割れ夫婦ゲンカしたことなど、たくさんのお話を伺いました。
お話の途中に、マツミハウジングに依頼し本当によかったと何回もお礼のお言葉をいただきました。
とても嬉しいかぎりで感激しました。
別れ際に何度も社長にくれぐれもよろしくお伝えくださいとのことでした。
社長のブログも読んでくださっています。エネルギッシュで、好奇心にあふれ、いつも何かに感動している、そして仕事に厳しい素晴らしい社長さんですねとおっしゃられていました。
夫婦ゲンカの原因は、たぶん、私の監督不行き届きが原因だと思うのだが、そのように褒めていただけると素直にうれしくなってしまう。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月10日(金)
エコキュートの時代

7日に、省エネコンサルタントである荒川英敏さんを招いて勉強会を開いた。
荒川さんは、久保田紀子さんの「クレダの旅」をサポートしてくれた人だ。ロンドン郊外にも家を持っていて、昨年もロンドンでお会いした。
いま、日本政府は京都議定書の国際公約を果たすべくあらゆる努力を傾注している。そのための手段として最も必要とされているのが家庭用エネルギーの消費を抑制することだ。
家づくりに携わるものとして、できる限りの協力をしなければならない。
そこでマツミでは数年前から荒川さんのご指導を受けて、設備機器の省エネについて勉強を続けている。
家庭でのエネルギー消費で最も多いものが給湯であることを知っている人は意外に少ない。次が冷暖房であり、残りが調理、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、パソコン、照明などである。
となると、35%を占める給湯について考えなければならない。そこで、3年半前に完成した横浜体感ハウスにはエコキュートを導入した。
ところが給湯が期待通りでなく、装置の運転音がうるさくお客様にお勧めするのがためらわれた。
しかし、最近のものはどんどん改良が加えられ、そのエネルギー効率は驚くほどに進化しているそうだ。
これからは、エコキュートの時代になるのは確実と、荒川さんは断言している。

また、こんなことも言われた。
「欧米では調光のない照明は、口紅を忘れた美女のようなもので、それでは建物の美が完成しない」と。
荒川さんがお勧めのルートロン調光システムは横浜体感ハウスに採用されている。
ぜひ一度お試しください。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月08日(水)
脳の活性化
ボールペンを買ってきた。
書いてみたら細すぎて書きづらい。貼られているシールに「極細」とある。
「しまった!」
そういえば、以前にも極細を買って同じ思いをしたはずだった。
「しかし、これだけの細さのものを作るのは、さぞかし大変なんだろうな」
NHKのクローズアップ現代「読み書きできない若者対策は?」を見て教えられた。パソコンやケイタイのメールで文章を打つのは、記憶力を低下させ、頭の働きを悪くする。書くことが頭脳を活性化させるということを。
つまり、昔の人が教育の基本として口うるさく言っていた「読み、書き、そろばん」が大切のようだ。
冒頭のことを重ね合わせながらテレビを見ていたのだが、書くことで書き味という感覚が刺激を受け、過去の記憶を蘇らせ、製作者への思いにまで脳が働いたことがよく分かった。
「打つ」よりも書く、そして電卓を使わないで計算する努力をしよう。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月07日(火)
予防注射
インフルエンザの予防接種に行った。
待合室は20人ぐらいの人でいっぱい。受付に置いてある用紙に、必要事項を書き込んで一番前の席(そこしか空いていなかったので)に座って待った。
後ろで「ゴホン、ゴホン」。
うつされないように息をひそめていた。
しばらくすると受付の若い女性が、待合室中が緊張するほどの大声を張り上げた。
「まついさ〜ん!用紙が違ってます!60才以上の人はこちらの用紙で〜す!」
それを聞いたとたんに猛烈な抵抗感を覚えた。
「何もそんな大声で、この人は60才以上だとみんなに知らせる必要はないだろうに。
それも、まるで字が読めないかのように」。
私は心の中で言い返した。
するとそれを察したかのように若い女性は、反抗は許しませんよ、という目つきをして冷ややかに言った。
「このお知らせをよく読んで、お待ちくださ〜い!」と。
そこにはこんなことが書かれていた。
接種後の注意
接種後30分間は、急な副反応がおこることがあります。
副反応の多くは、24時間以内に現れる場合がありますので、特にこの間は、体調に注意しましょう。
昨夜も寝不足で、体調は良くなかった。
「これは逃げよう」
そう決意して立上がったとき、再びあの大声が響いた。
「まついさ〜ん!診察室にお入りくださ〜い!」
接種後10時間近くが過ぎた。
天気予報では、明日の朝は今年一番の冷えになるとのこと。
暖かな家は、副反応なんか寄せ付けないと確信できる。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月06日(月)
夢想家

枕元に気に入った本がない夜は何か物足りなさを感じてならない。
しかし、気に入りすぎた本がある夜は、寝不足になってしまう。
このところ毎夜がそうだ。
写真の本は、「彩色図画であり、図解であり、イラストレーションであり、挿し絵といってよいのかもしれない」。
「作者の青山さんは早稲田大学の建築学科に学んだ建築科であり、同時に多くの作品をもつ絵本作家でもある。その希有な結びつきがなければこのような本はでき上がらない。青山さんはじつに緻密であると同時に、描くことに夢を見る夢想家でもある。」と、あとがきに書かれている。
私は本を見て想像にひたる夢想家にすぎないのだけれど。
命ある限り、読みたい、見たい、聞きたい、味わいたい、感じたい、そして建て続けたい、「いい家」を。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月05日(日)
積水ハウスの広告
積水ハウスは、10月14日から「まちなみ参観日」と銘打って、分譲住宅フェアーを実施した。
過日の家は当日売り出され、今日もノボリ旗が立っている。
積水ハウスは当日の朝刊の全面広告で、「その家も、その環境も、積水ハウスの品質です。」と主張している。
よく見ると、一番上には「一生に、出会う街」とある。
つまり、積水ハウスはこう言いたいようだ。
「ご近所のみなさん。どうですか、積水ハウスの家が建って良かったでしょう。環境の品質が良くなったでしょう。
一生存在し続けるのですから、見るたびに積水ハウスの家の品質のすばらしさを得心していただきたいのです」と。
しかし、私は近所に住むものとして、そのように自慢されることに納得できない。「その家も、その環境も、積水ハウスの品質です。」という宣言を許し難く思うのだ。
そもそも、積水ハウスの広告には問題がある。広告に掲載している写真は、積水ハウスが分譲した街並みであるという点だ。
すなわち、自分がつくった街ならば、なんと自慢しようと、宣言しようと構わない。しかし、他者が関わる環境の中に建てた二軒の家を売りたいがために、そのような広告するのは間違っている。
「その家も」だけなら問題はない。
しかし、「その環境も」と勝手に断じることは許し難い。
私は、積水ハウスの広告と実際との違いを一人でも多くの人に知ってもらう必要を痛感している。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月04日(土)
父親たちの星条旗
定休日に用事があって都内へ出かけた。
そのついでに気になっていた「父親たちの星条旗」を見た。
硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる6名の兵士を写した写真は、あまりにも有名だ。
しかし、その一枚の写真が、戦争の行方を左右したという事実を知る人は少ない。
最後にスタッフ紹介のテロップに重ねられて流れる音楽が印象的だった。
その余韻に、クリント・イーストウッド監督のメッセージが込められているように感じた。
真実を知らせることの大切さを痛感させられる作品だ。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月03日(金)
「環境にいい家」とは?
ここ数年の間に、分譲地の環境が急速に悪化している。
その原因はハウスメーカーが土地を買い占め、そこに環境を無視した儲け本位の建て売り住宅を建てるからだ。
それらの姿を見て、「環境にいい家は、環境のいい家になる」という積水ハウスの主張を正しいと思う人がいるのだろうか?
新聞の広告と現実は、あきれかえるほどに違い過ぎている。
カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月02日(木)
カレンダープレゼント

毎年「いい家」をつくる会のカレンダーは、好評をいただいている。
来年は、ホンビン・ヅォーの絵。
銀座にあるシルクランド画廊
(http://www.silkland.co.jp/index.html)の責任者である顧 定珍さんの協力によって実現した。
私は、時間があると銀座の画廊巡りを楽しむ。
二つの体感ハウスの雰囲気をよくするためにふさわしい絵を求めて。
重過ぎず、軽過ぎず、雰囲気が良い絵に巡り会うことは、めったにあることではない。
写真の絵は、一目で気に入った。
東京体感ハウスの玄関に飾っているが、過日、両親と一緒に来た5才になる男の子が見入っていた。
その一心に見つめる姿がとても印象的だった。
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カテゴリー: 投稿者 :松井
2006年11月01日(水)
美しい街並み

井上裕・浩子著「ヨーロッパの町と村」(グラフィック社)と巡り会えた。
「本書に掲載した多数の写真は、ヨーロッパの小さな町や村の伝統的な佇まいを伝えるもので、日本の町や村をヨーロッパと同様に、美しく繁栄させ、蘇らせていくための手がかりとして役立たせていただくことがねらいである。」
この本が、数多く出版されているきれいな写真集と違う感動をもたらすのは、そのような目的意識が明確だからだ。
家造りに携わるものとして、1ページたりとも軽々しくめくることができない。
家が美しく見えるということの意味、大切さを思い知らされる。
「サン・マルコ広場が、現在の形になるのに約1000年を要したことを考えれば、中世における途方もなくゆったりとした時間の流れを想像することができる。(中略)一見無秩序にさえ見える中世の街並みには、したがって、過去の人々の情熱が込められていると考えて間違いない。中世にできた村や町が絵のように美しく、現代の人々を魅了するのは、この時間のもつ力によるものと言えよう。」(8ページ)
わが国の家造りは、最近になってますます拙速度を増して、新築であること自体醜い家が目立つ。
「環境共生」ということは、二酸化炭素の排出量を減らすことだけを言うのではない。心が癒される美しい街並みを創り、維持することでもあるのだ。
(表紙に用いられている風景は、フランス・アルザス地方の小さな城下町ケイゼルベール)
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