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2007年10月07日(日)
新事務所のデザインについて
女房とそんな会話をしてから、私は書斎のデスクに座った。
そして壁に貼ってある新事務所の模型を写した写真を眺めた。
「どうしてあのようなデザインにしたのですか?」
これまでのところ誰からもそうした質問を受けていないが、近々誰かが質問してくることは間違いない。
いや、すでに世間では質問が交わされているのかもしれない。
イギリスの詩人であり外交官でもあったヘンリー・ウォットン卿は、「建築においては、目的が作品行為を支配しなければならない」という。
その考えからすれば、事務所という目的に適ったデザインの建物を造るべきだった。三階建てが建てられる場所なのだから、鉄骨造かコンクリート造で容積率を最大に活用した建物を。社員も大工も職人も、私がそうするとばかり思い込んでいた。私がそのようにすると公言していたからだ。
短期間で3階建てのプランが確定し、建築確認をとった。
しかし、何事にも決断の早い私が、工事の着工にゴーサインを出すのをためらった。基礎屋は段取りが狂い、工事部は大工のローテーションを急遽組み直す羽目になった。
なぜ、ためらったのか?
それは、動機に納得しきれないものを感じるようになったからだ。正直に言うなら、私の胸中には、世間体を気にするものがうごめいていた。「駅前から撤退したとは思われたくない。そのためには立派に見える建物を造らなくてはならない」という思いである。
私は、その邪念を意識しながら工事に着手することが嫌になった。そこでいったんすべてを白紙にすることにした。邪念を振り払い、どのような建物がマツミの事務所としてふさわしいのかを一から考え直すことにした。
カテゴリー: 投稿者 :松井









