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2007年10月27日(土)

三度の「不安」

今日は偶然にも「不安」という言葉を三度聞いた。
はじめは、久保田さんからの電話だった。
  
今日横浜体感ハウスへお見えになられたお客様がこんなことを言われました。。
「冬になると、娘たちが我が家に帰るのは寒いので嫌になるというのです。確かに寒いということは人の気持ちを不安にさせます。この体感ハウスのように暖かい家ですと心が休まるでしょうね」と。
 
二回目は、国立市に住むAさんからの電話だった。
Aさんは芸術家だけに感性の相性をとても大切にされていた。
「めったにないことなのですが、松井さんとは相性がぴったりします」と言われ、デザインから仕様、設備、内装などすべてを一任された。
多忙な方なので、打ち合わせはたまにしかできない。担当の設計士が私の考えや意見、選択を説明する。Aさんは、「こんな風にしてもらえるといいのだが」という程度の願いを言う。
外観については、控え目だけれども見るたびに愛着がわくようなデザインを望まれた。私が決めさせていただいた屋根の色、外壁の色、それらは新事務所と同じコーディネートである。
Aさんとはほとんど直接打ち合わせをすることなく工事は進められていった。
そして引き渡した後も、一度もお会いできないでいたのだが、久しぶりに聞くAさんの声は弾んでいた。
「今日で、引渡しを受けてからちょうど1年が経ちました。
1年間住んでみて、本当にいい家だと思っています。私は、よく家を留守にします。しばらくぶりに帰ると、いつもこの家は、私を気持ちよく迎えてくれるのです。以前の家は、何か不安を感じさせられました。梅雨時はかび臭かったり、夏は蒸し暑く、冬は寒々として。
でもこの家は、まったくそんなことを感じさせません。家に帰るたびに元気が湧くのです」
そして「役員改選と新事務所移転のお知らせ」の中に書いたサミエル・ウルマンの「青春」の詩を、Aさんも大変好きであると言われた。
「この家は、ウルマンの詩のように私に元気を与えてくれるようです」
私はその言葉に感動を覚えた。
 
三度目は、久しぶりに夕食を共にした長男からだった。
彼は、今年の初めにマンションを購入し一人暮らしをしている。
「マンションは寒い。夏は暑い。寒いところに帰ると何か不安な気持ちになるんだなー」
 
確かにそうなのかもしれない。
気分感情障害(うつ病)や不眠を訴える人、すぐ切れやすい人、慢性疲労、自律神経失調症などに悩む人の増加は、寒い家、寒い部屋と関連性があるのではなかろうか。暖房しても、風呂に入っても、体の芯が温まらない家に住むと、疲れが取れないし、体調が改善されない。
寒い家、寒い部屋は、夏は暑くてたまらない。冷房すると、今度は体の芯が冷えてしまう。体の芯が冷えると、これまた上記のような症状に悩まされることになる。
それは構造と断熱の方法が間違っているからだ。
  
「不安」という言葉は、母親の心に響いたようだ。
「マンションを人に貸して、家に戻ってきたら?」と言う。
温かな家に住む母親は、子供をぬるま湯につけようとする。
私は、父親として少なからず不安を感じた。

カテゴリー: 投稿者 :松井


 
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