<< 父への思い | メイン | BMW Z3 >>

2009年06月21日(日)

息子の家で塗りおさめをしたい

P1040839.jpg
横浜事務所の駐車場に、白い車体をピカピカに磨いた中型トラックがバックで入ってきた。
整理された荷台の真ん中にバケツがいくつか積んであって、その一つに、手入れの行き届いた左官道具が入っているのが見えた。
「勉強会のときに、左官屋さんが何の用事で来たのだろう?」
 
やがて玄関を職人風の年配の男性が入ってきた。
応対した久保田さんにこんな話をした。
「私は左官屋です。息子から家選びを任されていろいろなところを見て歩いています。もうそろそろ引退を考えているのですが、息子の家で塗りおさめができたら、幸せだと思っています。
それには、息子だけでなく、私も納得できる家を選びたいのです。これまでに数々の家の左官工事に携わり、このところは、あちこちの家造りを見させてもらっているのですが、なかなかこれぞという家を見つけることができません。
でも、松井さんの本を読んですごく心が惹かれましてね、勉強会に来たのです」
私は、「息子の家で塗りおさめをしたい」という左官屋さんの思いに心打たれた。
 
左官屋は、家の中の壁を塗る場合にはすでに下地が出来上がっているし、外部の壁を塗る場合も同様であり、断熱工事を見る機会がほとんどない。
家造りの急所は、構造・断熱の方法・依頼先にある。肝心な「断熱の方法」を知らずして「いい家」にはならないのだ。
左官屋さんは、7年ほど前に無垢の木と漆喰で自宅を建て替えたという。しかし、冬は寒く、温度差でつらい思いをしていると嘆いた。
なぜ、そうなったのか?
私は、一時も早く教えてあげたくて、勉強会の話の順番を変え、まっ先に話をすることにした。
 
勉強会が終わって、じっくりと体感した後で、左官屋さんは言った。
「この家です!私がさがし求めていた家は」と。
そして、どのくらいの予算を考えておいたらよいのかと質問された。
私の答えを聞いて、左官屋さんは深くうなずいて言った。
「安い家で良いものはありません。私も長年家造りに携わってきましたが、つくづくそう思っています」
 


カテゴリー: 投稿者 :松井


 
PAGE TOP