

3年前に、こうして契約する予定でいたのです。
あのとき購入しようとしていた横浜山の手の土地は、とても気に入っていたのですが、川上さんに隠れていた問題点を指摘され、いろいろと交渉を重ねたのでしたがとうとうまとまらず購入を諦めました。
本を読み、勉強会に参加して、よーし、マツミの家を建てるぞ!と気合が入っていましたから、土地が買えなくなったショックはとても大きなものでした。
その後、土地を探し求め続けたのですが気に入るところが見つからないのです。
その間に、住宅本を片っ端から読んでいました。
西方里見さんの〔「外断熱」が危ない!〕、松本祐さんの「外断熱住宅の落とし穴」、山本順三さんの「無暖房・無冷房の家に住む」、神崎隆洋さんの「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」など、とにかく読み漁りました。
しかし、他の本を読めば読むほど、松井さんの本の理念に惹かれるのです。そして、松井さんのブログを読み続け、ホームページを隅々まで見ていたのですが、ある日家造りが、ソーラーサーキットではなく「新換気SA−SHEの家」に変わったのを知って驚きました。シロアリ対策もターミメッシュではなくなったのです。
でも、マツミの家を建てたいという気持ちは強まるばかりでした。
念願が叶って、やっと納得できる土地を見つけることができ、川上さんに連絡しました。
「新換気SA−SHEの家」について説明を受け、3年前に土地が買えなかったのは、かえって良かったのだと思いました。
今日、こうして契約にたどり着け、本当にうれしく思っています」
ご主人の傍らで、奥さんはハンカチを目に当てられ大きく頷かれた。
私も、うれしさで胸がいっぱいだった。



帰りの車中で、久保田さんが言った。
「遠藤さんとのお付き合いは、創業する前からですよね。ということは、40年以上・・・。私が小学生の頃からですか。すごいなー。そんなお付き合いができるなんて、うらやましい感じがします」
「たしかに、40年の付き合いってそうできるものではないですね。でも、杉江さん、高橋さん、古川さんもそうですよ。みんな“いい家”を造る同志という感じです」
私はふっと彼らと知り合った頃を思い出し、その話をしようとした矢先に久保田さんが弾んだ声で、
「なんでしょう?遠藤さんの夢って。とても気になりますね。船で世界一周かな?それとも、車で日本一周かな」と尋ねてきた。
遠藤さんの仕事に惚れきっている久保田さんは、気になって仕方がない様子だった。私が答えあぐねていると、
「そんな夢ではなさそうですね。松井さんは分かっているのでしょ?」と、探りを入れてきた。
「私にも分かりません。でも、40年以上も互いに夢のあることを語り合える同志でいるって、すばらしいことだと思いませんか?」
「思います。夢が何か、ということよりも、そのほうがすばらしいですね。感動します」
「夢のある人って、輝いているなー」
「遠藤さん、ケガや事故するなよ!」
私は心の中で叫んだ。




息子に新換気のフィルターの掃除をさせました。
小屋裏から「ウワーッ、なんだこれは!」と絶叫が聞こえてきます。
その声に娘が見に行って、
「うわーっ、汚い、なーに、これっ!」
と、同じように騒いでいます。
私も見に行きました。
空気浄化装置のプレフィルターの手前にセットしておいたレンジフード用のフィルターが写真のように汚れていて、小さな虫がてんこ盛りの状態でした。
それを見た娘が言いました。
「この換気、気味悪い」と
「だけどさ。もしこの装置がなかったら、あなたがこの虫と汚れを吸っているんだぜ」
と、息子がしたり顔して説明しました。
「虫なんか吸うわけがないでしょ」
「でも、ホコリは吸うに決まっている」
「前はどうなっていたの?」
「第三種換気のときは、あなたの部屋の壁に開いていた穴から外の空気が入っていたの。この辺りの空気は、東名高速道路や246号線、アピタ渋滞などの車の排ガスでどんどん汚染されているのよ」と、私が説明。
「ということは、あなたもボクも直接このように汚れた空気を吸い続けていたということ」と息子。
「友達の家には、換気装置などついていないよ。どうしているのだろう?」
「それは、たぶん隙間だね」
「ここにフィルターを付けれるところが、この換気システムのすばらしさなの。他のものは、抵抗になってしまって空気を満足に部屋に供給できなくなってしまうのよ。
私たちは、どの部屋、どこにいても常にきれいな空気を吸える。犬の臭いに悩まされることもなくなった。ぜんそくも起きなくなった。
梅雨入りしたというのに、家中がさわやか、さっぱり。
こんな家に暮らせることに感謝しなくては」
それから三人で話し合いました。
きれいな空気はただでは吸えない。フィルターの掃除を心掛けよう。
毎月11日を空気に感謝する日と定めよう。
その日の前後には、順番でフィルターの掃除をする。
大学生活で頭がいっぱいの娘も参加を約束してくれました。
実は、私も汚れのひどさに驚いていたのです。
わずか3カ月でこんなにも汚れるのかと。
でも、驚くとともに新換気の威力といいますか、効果にも感動しました。
これだけの汚れを24時間黙々と除去し続けていてくれるのですから。
<外気は、新鮮であってもきれいではない。
住む人が、いつもきれいな空気を吸える家、それこそが「いい家」なのだ>
松井さんの考えの正しさを、子供たちも実感したようです。(久保田紀子)

